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絵の耐用年数

いくつかの要素に左右されるので一概には言えないが、あくまで正しい方法で描かれたなら、

絵の耐用年数は主に

色の耐光性

絵具層の耐久力

支持体の耐久力

保存環境

に左右される。

絵にとって温度や湿度や照度などを整えられた美術館は、最高の保存環境である事は言うまでもないが、

やや絵には厳しいかもしれない一般の家庭での耐用年数を考えてみると、

最も分かりやすい損傷である色の褪色を示す耐光性では、
絵具メーカーの出した実際の室内での色の変化の年月の数値をおおよそ平均してみると、
油絵・アクリル画なら平均50〜100年、
水彩画やパステル画などでは数年〜数十年は、
その色を変化なく保つと見積もる事が出来る。
油絵では500年以上昔の絵が褪色や損傷も少なく現存する例も多くある事や、耐光性の低い、染料や古い有機顔料や蛍光色などの絵具もある事から、その年数は上の平均を基準にその上下にいくらかの幅が生じると推測できる。
しかし一般的によく使用される耐光性の堅牢な色ならば、最初の平均内に留まると考えられる。

油絵やアクリル画の年数が極端に長いのは、耐光性の強い顔料の使用されてる割合が多い事や含む顔料の量の多さもほんの少し関係するがそれよりも、主に絵具の色の元である顔料を保護する絵具の糊材として混ぜられている展色材の種類とその量の多さによるところが耐光性・耐候性と耐久力に与える要因として大きい。加えて油絵やアクリル画は仕上げのニスを塗るのが通常の習慣である事も大きい。
保護する展色材やニス層が絵を害する光や水分や大気のかなりの量を遮断する。

紙やキャンバスなど一般に絵画で用いる伝統的な支持体は、
描かれた支持体には表面に絵具が乗っている事が下の元の支持体にはある種の保護となっている事や、絵の表層ほど外部の影響を受けやすい事や、石や木や布や紙繊維などに見られる支持体の素材自体が強靭さを持つ事もあり、
通常は支持体は絵具層より強い耐久力を持つので、裏面から腐敗や破壊されない限り、上層の絵具層で耐用年数を考えるほうが自然である。
ダンボールや布地などはるかに絵具層よりも支持体が弱い場合はその支持体の耐用年数で考えるほうが良い。砂に描いた絵のように。
一般的な支持体の強度で言えば、紙よりキャンバス、キャンバスより板が硬く比較的衝撃に強い。反りや腐敗の原因になりやすい湿度にはどれも敏感ではあるが。しかし板より石改め壁、と言うのは携帯性や保存環境の確保などの点から中々難しいのではと個人的には考えてしまう。
水彩画やパステル画は折り曲げや物理的衝撃に比較的弱い紙に描かれる事が多い。しかし額装などの保護が施されれば、その差は関係ないほどに縮むし、額装などの保護はどの種類の絵にとっても耐用年数を伸ばす良い結果を生む。
(ガラスかアクリル板が額の表面に嵌められていれば、その反射により見づらくなる事を除けば、より保護されるのでなお良い。乾燥に必要な酸素がガラスまたはアクリル板により遮断されてしまう未乾燥の油絵以外は。ガラスは割れて絵を傷つけるおそれがあり、パステル画はアクリル板には静電気により顔料の粉がアクリル板に吸着されるおそれがあるものの。)

絵具層の皮膜自体はどうなのだろうと考えた時、外部の影響を無視するなら、天然の成分の糊材や樹脂なら自然にその素材に見合った長い時間をかけて劣化していくだろうし、アクリル樹脂など合成樹脂はプラスチックに見られる不変性のごとく半永久に時間をかけて劣化していくだろう。油自体も酸化して鉄のごとき硬さになるようで、これらも全て、支持体と同じく相当な年月を経る耐久性を持つと考えられるので、それぞれの各種絵具に使われる展色材の強度の違いを考慮し、皮膜に影響を及ぼす保存環境と耐光性で耐用年数を考えた方が良いと考える。

極端に言えばどんな絵も、湿度に気をつけて光にあまり晒さず額装してたまに観るくらいで普段は箱にしまい、こまめに風通し良くしてやれば、普通に飾るよりさらに長持ちする。もっとも飾られてこそ絵の意味を成すとは考えるが。
逆に言えば、保存環境によっては即破壊も可能になる。例えば風呂場やその脱衣所の直射日光のあたる壁面などなど。
ということなどから、やはり保存環境もとい絵の飾られる環境が最も大きく影響すると考える。
しかし耐用年数においては腕が3割・ネタが7割な微々たる要素ではあるが、風化に抗う、そんな絵を作る絵描きの腕と素材の目利き・その用い方も重要であるとも考える。

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Name:ドラ焼き
今は油絵具でイラストを描いてます。webプログラミングもやってます。 このブログでは絵や興味ある事について書いてます。Twitterの@dorayakiArtに近作のイラストもアップしてます。
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