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アクリル絵具とはどの様な絵具か

水で溶き乾くと耐水性になる一般的に絵画用絵具として普及しているアクリル絵具は、顔料の媒体となる展色材(メディウム)として、その素材となるアクリル酸とメタアクリル酸を有機溶剤中で分子の化学的結合である重合をさせる成形とは異なり水中で重合させ乳化(液状流体の中に別の液状流体が分散する状態)させたディスペルジョン(分散液)タイプのアクリル樹脂を用いた天然樹脂とは異なる現代化学の賜物である合成樹脂による絵具の事である。水で溶いて乾くと耐水性になる水中で乳化重合させた(ディスペルジョン≠)エマルジョン(乳濁液)タイプの物があり、アルカリを化合した非耐水性の水溶性のアクリル絵具や有機溶剤による油性のアクリル絵具もある。樹脂量の少ない物は不透明な明るいつや消しのアクリルガッシュとして使われる。

主に絵具として使用されるエマルジョンタイプのアクリル絵具は水分を希釈剤として含む水性の絵具であり同じく描画においても他の水性絵具の様に水で溶いて使用する。その他にマチエール(絵肌)や使用感や乾燥速度等を変える為に顔料の入っていないアクリル樹脂の溶液すなわちメディウム(画用液)を絵具に混ぜて使用する事もある。

性質としてアクリル樹脂は、乾燥が速く、無色透明に固化するので顔料の発色も良く、画面への付着力も高く様々な素材にも塗布する事が出来、化学的反応や劣化も少なく硬さと共に柔軟性もあるので耐久性・耐候性も高く、絵具の中でもとても強い堅牢性を持つ絵具である。一旦乾燥すると水や絵画用有機溶剤では溶かす事は出来ずエステル・ケトン・芳香族炭化水素等の溶解力の極めて高い有機溶剤でなければ膨潤・溶解させる事が出来ないほどに乾燥する。