アクリル絵具の乾燥に要する時間は速乾性であり通常10分〜20分程度の間には乾燥する。
一度に厚く盛り上げて塗るほどに内部まで乾燥する時間は長くはなる。
その場合は表面から皮膜を作り徐々に内部まで乾燥していく。
紙に描くなら紙にたっぷり水を含ませておけば上に乗せる水性絵具は乾きが遅くなるし、パレット上のアクリル絵具であれば霧吹きで水を噴霧してラップをしておく事で乾燥を遅らせる事も出来る。
つまり水分を多く留めて置ければ乾燥は長く時間がかかる。
逆に水彩画の様に逆に薄く塗れば水分は少ないので数分もかからない。加えて、例えばドライヤー等で、蒸発を促す高温度・低湿度にすれば乾燥は速くなる。また吸収性の高い下地に描いても水分が絵具から速く吸い取られるので速く乾く。
油絵具では揮発性溶剤が入っていればその溶剤が蒸発(揮発)してからメディウムである油がゆっくりと何ヶ月もかけて化学変化して乾くのに対し、アクリル絵具等の水性絵具は水分が蒸発してしまえば樹脂等のメディウム自体は大きく化学変化する事は無く乾燥し皮膜が形成されるので、乾燥速度は水分の蒸発速度に大きく作用される。
アクリルジェッソの場合、記載されている説明によると水分が抜けて内部まで完全に乾燥するまでに72時間つまり3日とあるので念には念を入れて完全乾燥を望むなら、塗りの厚さと気温や湿度による蒸発の進み具合にもよるが、その日数を目安に待つのが確実である。
アクリル絵具の上にアクリル絵具を塗り重ねるなら皮膜自体にも通気性があるので完全乾燥どころかある程度固まった指触乾燥でも問題ではないが、水分に化学的に反応してしまう顔料を含む油絵具の下地にアクリル絵具を採用する場合には下地に水分を閉じ込めてしまう事もあるのでこの完全乾燥時間は守った方が良いというケースもある。