原材料費や人件費や設備代等と比しても、アートが高い理由、それは、
・一点ものであるから
基本的には複製出来ない。例外的に複製出来るアートというものもあるかもしれないが、それで高い価値を持つ事は少ない。普通ならその価値は、下がる。オンリーワンの希少性ゆえに価値はその一点に集約される為に高い。これはプロアマ変わらない様に見える。
例えば同じ絵でも漫画は印刷して大量に複製出来るが故に私たちは数百円で入手出来る。アートも複製すればすれば高くても売れるかもしれないし、量産して多くの人に届ける事は素晴らしいが、半ば売らんが為のそこに、芸術の創意の粋(すい)はあるのだろうかという疑問は個人的には持ってしまう。
・ブランディングされてる為
高価格な、特にプロフェッショナルによるアートほど、アーティストやギャラリストやキュレーターや他美術関連の人間達らの、ギャラリーや美術館や市場により、各国または世界をまたいで業界内でより高い付加価値の価値付けが繰り返されている為。作品の素晴らしさもあるが、その名前で勝負出来る価値を付与させられている。シャネル等の高級ブランドと株式投資等の投機商品と同じ性質を持つ。遥かに原価以上の価値で成り立ってしまう。上に行けば行くほどその価値が故にさらに価値を上げてしまう。
・時価
一点もの故に簡単に値段が下がる事は少ない。ブランディングの為に値段が定まらない、一定ではない。時代と共に評価も下ったり実は他者の作であったり不祥事で下がる事も稀にあったり、価値が上昇する事も多い。これは新人から巨匠に関係なく起こる。巨匠の様に評価が定まると上がるのみか高止まりだが。新人は新人である日見出されて突然価値が上昇したり下落する。
時価の様なもので安定性は一般の商品より低い為に割高感も感じやすい。
それらの為に高い価格が付けられている事が多い。
あとは一般の商品と同じ要素として、ピカソがいかにも簡単に描いた落書きに高い値が付いた時に「私はこの絵を描くのに何十年もかかった」と言った様にその作者が身に付けた技術性や、その作品の持つアイデアの価値という要素も加味されていると見るべきである。加えて古い巨匠による作品には歴史的価値も含まれる。