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ビスマスイエローについて

使用感が良く個人的に注目している黄色がある。それはビスマスイエローという黄色い絵具である。

顔料では Pigment Yellow 184 の表記となる。

油絵具、アクリル絵具でよく見かける。

性質としては不透明な合成無機顔料で非常に堅牢である。着色力も有機顔料ほどではないが無機顔料にしては高い。隠蔽力は不透明もあり高い。

不透明な黄色としては他に近い色でカドミウムイエロー・カドミウムイエローレモンがあるが、それらよりも外部の光や水分での変色や毒性が無いのでビスマスイエローのほうが便利かと感じる。値段もそれほど差が無い、高価格帯の絵具ではあるが。

色味はレモンイエローに近いやや緑みの黄色。

メーカーからあまり詳しい説明の記載が無かったので調べてみると、

・ジルコニア顔料と呼ばれるセラミック顔料の一つでバナジン酸ビスマスという無機化合物。

・ジルコン型がトルコ青で、ジルコニア型がバナジウム黄。

・耐熱性、耐候性、耐光性、対薬品性に優れている。

・釉薬にも使用され焼成温度による色調変化も少ない。1200〜1300℃でも退色・変色がなく安定

・他の顔料との反応性も少なく安定

との事。

絵具になった場合どうなるかの詳細は追えないが上記の事からたいへんな堅牢性が窺える。
メーカーの耐光性レベルの表記では他の非常に堅牢な合成無機顔料と同等の扱いではある。

近年の黄色の合成有機顔料以外で鮮やかで安定した使用性を持つ顔料が少なかったのでメインの黄色として使いやすいと考える。