無料サイトや無料ブログの草分け的存在のウェブサービスであったYahooジオシティーズやYahooブログが2019年にサービス終了し、2023年に入ってLINEブログもサービス終了が決定してしまいいよいよ個人サイト及びブログの文化が日本のインターネットから衰退・消滅してしまいそうな趨勢になってきている様にも見える。
これはやはりどんなサービスにおいても起こり得る利用者数の減少とそこで発生する利益からの費用回収が困難になっている事に大きく起因している様である。
歴史として、個人サイトや個人ブログはWindows95の発売によりパソコンが一般家庭にも普及し始めて2000年代に入りウェブサイトすなわちホームページを企業や公共機関でない個人でも性能の良いパソコンや専用のソフトやサービスの普及により個人での発表の場を持ちやすくなった。その後に有名IT企業によるウェブサービス上での機能によりホームページよりも知識を要せずとも容易にサイト取り分け時系列式の日記型のサイト作成を簡単にしたウェブログすなわちブログがその流れを受けて2010年前後に至るまでその隆盛を極めた。
その後2010-20年に渡り、ハードやソフト又はアプリや通信技術の発展に伴い直感的な短文や高解像度の画像や動画を以ってウェブコンテンツの作成・閲覧を作り手としても読み手としても簡単に容易に享受出来ダイレクトな共感や反応を得る事を出来る様にしたSNS(ソーシャルネットワークサービス)や動画サイトにそのムーブメントを取って代わられた。
とはいえ今まで(無料サービスによる)ホームページ及びブログをカジュアルに利用していたライトユーザー層に当たる大多数の個人がより用途として適していたSNSに移行し、企業・団体・組織やプロ・セミプロのブロガーや熱量のある個人のサイト運営者やその他アフィリエイト系のサイトやブログはまだ無料サービスでなく自前のサイトを所有しその大多数は残ってはいる。
とはいえそういったホームページ及びブログの管理者や管理団体が寿命や事故による死亡や倒産等で撤退してしまえばそのサイトやブログも自前で管理しているか借りているサーバー及びファイルやデータも消失してしまうので結局はこの世から無くなってしまう。となるとせっかく集まった巨大な知のデータベースがどんどん少なくなっていってしまうのは残念な事である。ましてやまた再度ブログにライトユーザー層が集まるかと言えば作成の難易度の面でも敷居の高い方に戻るのも難しいだろうしウェブサービスとしてのホームページ及びブログのプラットフォームの無料運営も厳しいだろうから有料利用になるならば尚の事。しかし企業等の公式の情報も大切ではあるけれど現場の生の声や知識や知恵を持つ一般ユーザーの発信も集合知には欠かせないのは間違いない。
コンテンツの作り手が減るわけでおそらくこうなると有用な情報はネット上から減り検索システムは崩壊していき、ネットにおける知的財産や文化の蓄積も減少していくので国レベルで保護していく必要性は感じる。
まあ黒歴史が残らないという利点はあるにせよ。
そしてAIや仮想空間が発達した昨今においても、多様性のある情報量の多いウェブサイトの価値は膨大なデータベースとして失われないとして。