セルリアンブルー(cerulean blue)はC.I Name(Color Index Name)においてPigment Blue 35、つまりPB35であり鮮やかな明るい緑みの青の色相になる。
セルリアンの語源としては青や空色を意味するラテン語に由来する。近い色にマンガニーズブルー(PB33)やセルリアンブルーヒュー等と呼ばれる安価な代替品でもあるチタニウムホワイトで調色したフタロシアニンブルー(PB15+PW6)等がある。メーカーによってはトルコ青(PB36)を用いる事もある。近年では加工度合いにより元々ある緑みを帯びた緑寄りのものに加え赤みを帯びた紫寄りのものもある。
比較的近代である19世紀に開発された顔料で現代的な色彩とも言える。セルリアンブルーまたはセルレウムとも呼ばれる。
透明色として使用すると緑青の透過光を色として返し、白を混ぜ不透明にするとやや鈍く明るい空色になる。
顔料の種類としては金属や鉱石等の化合物から成る合成無機顔料でありコバルト塩、錫(スズ)、珪酸の化合による錫酸コバルトが使用される。耐光性や耐候性等の耐久性に極めて優れる。他の顔料や絵画用薬品との化学変化に対し反応が少なく不活性で安定性が高いので絵具にした時の混色制限も無く毒性も少ないので扱いやすい絵具となる。その万能性から様々な種類の絵具で用いられる顔料の一つでもある。値段も比較的高価な部類に属する。
どの種類の絵具に絵具化してもそれほど変わらない色相を見せ、不透明度が高く隠蔽力・被覆力があり、扱いやすい程度の穏やかな着色力がある。
油絵具においては他の青同様にその青みを油の黄みで損なわない様に亜麻仁油(リンシード)で無く透明色に近い乾性油である芥子油(ポピーオイル)で練られるのが常である。