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児童画の特徴についての考察

定期的に貼り出される近くのギャラリーの児童画を毎回見させてもらっていつも関心している。

年代別に幼児・年長・小学生の各学年の順に貼り出されている。

幼児の子達の絵はまだ技法を持たないが故にありったけに自分の想いをぶつけて来ていてそれでとても伝わってくるものが下手な大人の絵よりある。単色の原色を用いて何者の束縛も受けない凄まじいタッチ・ストロークを見せる。人の肌を意識してなのか赤や黄色やピンク系統の丸や円を変形・組み合わせた絵が多い様に見受けられる。抽象的ではあると共に具体性が伝わってくる所が素晴らしい。母親や周囲の家族を描いているのだろうか。

年長の子達の絵には明確に自分以外の物への関心の表れがモチーフの登場により分かり、知的欲求の急激な成長が見れて目を見張る。
幼児の頃の勢いを保ちつつも、他者や他の物へのとてつも無い貪欲な関心によりモチーフの奥深くへ到達しようという気概と真っ直ぐなものの捉え方が心を打つ。大きい面積を占めるベースカラーを原色の単色で担いつつも小面積のアクセントカラーを使用したり2、3色の同面積の色面で組み合わせてモチーフを表現している絵が多かった様に記憶する。家族やアニメ等のメディアの影響か人に加えてキャラクターや動物がシンプルにプリミティブに描かれた絵が多い様に見れる。

小学生ともなると大人顔負けの写実性や構図に柔軟な視点の発想の絵が多く見られて気付かされる。
この年代になると次第に物や人の他に「事」への関心が強くなり絵の中にストーリー性やメッセージ性が強く見られる様に感じる。社会に触れ広い世界にどう向き合っていこうとしているのか各人それぞれ異なる考え方が見られ、これから生きる未来への希望という想いを目の当たりにしている様であった。
色使いが多色にそして現実の固有色に即する様になり、モチーフとして人の登場が増え複数のモチーフや背景が組み合わせられ構成させる絵が多い。誰から見たかという視点をしっかり意識し感じさせてもいる。描かれる対象は幅広い。

興味ある対象へのフォーカスが徐々に客観性を帯びて関心が拡がってくると言えるのだろうか。例えば強く興味の対象であったと思われる顔や目口鼻が主張して大きく描かれていたのが徐々他の手や足等の体のパーツも徐々に人体の比率として正確になっていく様な。

全ての子供がこれらの通りであるわけもなく型にはめて見る気は毛頭無いが個人的な感想として共通性も多いと感じる。そして大人になった自分には無い発想や視点もありとても勉強になるし見ててわくわくする感じもある。