色が持つイメージや性格は、遠近法の様な人類共通の法則を確立した絵の二大要素のもう一つである線とは異なり、見る人の視覚や感受性によって違ってくる事が多い曖昧さもあるものの概ね共通して感じられる要素を挙げるとすれば(色別性格診断は色から察する一面を主観も交えながら切り取った誰しもが持ち得る一部なので当てはまらない場合もあるかと思いますが)、
・赤(レッド)
赤い色の象徴として一般的な物は、りんご・いちご・トマト・薔薇・タコ・夕焼け・太陽・火・血液・口紅・ルビー・消防車・だるま・赤信号等がある。色が持つ性格的なイメージとしては、熱い・暑い・暖かい・高温・情熱的・熱血的・衝動的・愛情・活発・刺激・動的・躍動・生命感・危険性等を表す事が多い。この色は原始の頃から人類にとって強力な道具とも命を脅かす災害となり人体に溢れ流れる体温の熱や血液を示す色として脳裏に焼き付いているので物理的にも精神的にも私たちの感情を大きく揺さぶる活動性の高い印象を与える。各色相の中では、最も暖かさを感じさせる暖色であり、興奮を感じさせる興奮色であり、色の光による刺激がとても強い刺激色である。補色(反対色)に緑を持つ。好む色による性格別診断をするなら、赤を好む人はとてもやる気に満ち溢れた活動的な一面を持つでしょう。
・橙(オレンジ)
橙色の象徴として一般的な物は、オレンジ(柑橘)・みかん・柿・人参・紅葉・炎・夕焼け等がある。色が持つ性格的なイメージとしては、赤に近いがその激しさは和らげられて、陽気な・外交的・暖かさ・熱さ・賑やかさ・楽しさ等を表す事が多い。この色は程良い温かみがあり堅苦しさの少ないカジュアルで明朗快活な色である。各色相の中では、暖かさを感じられる暖色であり、興奮を感じさせる興奮色であり、色の光による刺激が強い刺激色である。補色(反対色)に青を持つ。好む色の性格別診断をするなら、橙を好む人はとても情に厚く親しみやすい外交的な一面を持つでしょう。
・黄(イエロー)
黄色の象徴として一般的な物は、レモン・バナナ・ひまわり・菜の花・太陽・月・星・黄信号等がある。色が持つ性格的なイメージとしては、楽しさ・明るさ・まぶしさ・温もり・熱・朗らかな開放性・注意・警告等を表す事が多い。この色は人類が人に進化する前から恵みも災害を与えてきた神の如き太陽光のイメージを象徴する色な事もあり(本当は太陽光は黄色みの白色だが)現代人にも精神面にも良くも悪くも大きく影響を与える。各色相の中では、最も明度の高い明るい色相の種類であり、自然の光を感じさせる色であり、暖かさを少し感じさせる暖色であり、どちらか言えば興奮を感じさせる興奮色であり、色の光による刺激も強め刺激色である。補色(反対色)に紫を持つ。好む色の性格別診断をするなら、黄を好む人は陽気で朗らかで知的なユーモアや遊び心に恵まれた一面を持つでしょう。
・緑(グリーン)
緑色の象徴として一般的な物は、葉・草・キュウリやピーマン等の緑色野菜全般・林・森・エメラルド・青信号等がある。色が持つ性格的なイメージとしては、平和・安全・安心・中立・自然・野生・快適・謙譲・調和・回復・癒し等を表す事が多い。この色は人類が人に進化する前から生存を豊かにしてくれている自然を象徴する色であり現代人に対しても安らぎと癒しを与える。各色相の中では、暖かさや寒さをはっきりと感じさせる事の無い中性色であり、鎮静を感じさせる沈静色であり、色の光による刺激が弱い無刺激色である。補色(反対色)に赤を持つ。好む色の性格別診断をするなら、緑を好む人は自身と周りの平和と調和を第一に好む穏やかな心優しき一面を持つでしょう。
・青(ブルー)
青色の象徴として一般的な物は、空・水・海・川・泉・湖・雨・地球・サファイア・青信号等がある。色が持つ性格的なイメージとしては、冷たさ・寒さ・水性・冷静・安静・沈静・鎮静・落ち着き・爽やかさ・安全・休息・隠遁・停滞・静的等を表す事が多い。この色は人類が人に進化する前から生存を豊かにしてくれている自然を象徴する色であり生命にとって無くてはならない水や生物進化の源である母なる海の色を表し狩猟や耕作で恵みをもたらし快適を約束される天候の色なので(反面自然の厳しさを兼ね備える色)、現代人に対しても安心や落ち着きを与える。各色相の中では、最も冷たさや寒さを感じさせる寒色であり、鎮静を感じさせる沈静色であり、色の光による刺激が弱い無刺激色である。補色(反対色)に橙を持つ。好む色の性格別診断をするなら、青を好む人は静かな環境を望みつつ知的探求への邁進を求める静かなる活発的一面を持つでしょう。
・紫(バイオレット)
紫色の象徴として一般的な物は、ぶどう・なす・すみれ・ラベンダー・アメジスト・着物・毒等がある。性格的なイメージとしては、高貴・気品・豪勢・艶やか・妖艶・華麗・毒性・神秘等を表す事が多い。この色は古代より貴重な色料であったので高貴な物に使われ、赤の持つ情熱性と青持つの深みを掛け合わせた派手さと豪華さと神秘性を合わせ持った魔性的な魅力を与える。各色相の中では、暖かさや寒さをはっきりと感じさせる事の無い中性色であり、どちらか言えば興奮を感じさせる興奮色であり、色の光による刺激が少しある刺激色である。補色(反対色)に黄を持つ。好む色の性格別診断をするなら、紫を好む人は活動的でありつつミステリアスな神秘的な魅力があり同時に自身もより魅力の高みを求めて行動する好奇心旺盛な一面を持つでしょう。
・白(ホワイト)
白色の象徴として一般的な物は、光・雪・氷・雲・うさぎ・百合・紙・牛乳・卵(の殻)・歯・ワイシャツ・ウェディングドレス・ダイヤモンド等がある。色が持つ性格的なイメージとしては、明るさ・清潔・潔白・正義・希望・始まり・純粋・神聖・空虚・軽い・柔らかい・開放性・永遠等を表す事が多い。この色は何物にも汚されておらず染められていない色であり自然界では全てを照らし出す光の色なので我々に始まりの決意と希望をまたは何も無い(逆もまた真で全てを含む)という印象を与える。各色相の中では、暖かさや寒さをはっきりと感じさせる事の無い中性色であり、どちらかと言えば沈静を感じさせる沈静色であり、色の光による刺激が最も多い刺激色(色みを持たないが全ての色光を含む)である。色みつまり彩度を持たない無彩色でありその反対の極は黒となる。好む色の性格別診断をするなら、白を好む人は社会的規律を第一とし併せて自身の規律すなわち正義を重視し同時に慈愛や博愛も大切に出来る開放性のある優しい一面を持つでしょう。
・黒(ブラック)
黒色の象徴として一般的な物は、闇・カラス・黒猫・墨・海苔・黒豆・黒髪・学生服・スーツ・喪服・オニキス等がある。色が持つ性格的なイメージとしては、不安・死・罪・汚れた・不正な・濃縮された・力強さ・悪・魔性・終焉・破壊・絶望・厳格・厳粛・威厳・閉鎖性・硬い・重い・永遠・神秘等を表す事が多い。この色は何物にもこれ以上汚されず染められる事のない色であり(白っぽい色で実際は染めたり汚せたり出来るが)自然界では全てを包む闇の色なのでを我々に安寧や覚悟を与える。各色相の中では、暖かさや寒さをはっきりとは感じさせる事の無い中性色であり、どちらかと言えば沈静を感じさせる沈静色であり、色の光による刺激が最も少ない無刺激色である。色みつまり彩度を持たない無彩色でありその反対の極は白となる。好む色の性格別診断をするなら、黒を好む人は自分に規律を課す厳格さと守り通す意志の強い厳粛さを持ちまたは抱え込んでいる悩みや心配事に対して外部からの接触を閉ざし自らの力を貯えて待つ事の出来る強い精神的な一面を持つでしょう。
・灰(グレー)
灰色の象徴として一般的な物は、ネズミ・コンクリート・石・岩・曇り空・灰・煙・鉄・機械・建造物等がある。色が持つ性格的なイメージとしては、曖昧・中間・慎重・妥協・用心深い・洗練・固い・無機質・地味・平凡等を表す事が多い。この色はグレーゾーンという言葉がある様に中間性を与え、白と黒の様に極端に目立つ事が少なく、石や岩ひいてはコンクリートと生命感の無い無機質的性格を持つその一方で白と黒の角が取れた様なマイルドな柔らかさも持つ。各色相の中では、暖かさや寒さをはっきりとは感じさせる事の無い中性色であり、どちらか言えば沈静を感じさせる沈静色であり、色の光による刺激は中程度かやや少なく感じる無刺激色である。色みつまり彩度を持たない無彩色でありその中間性に対する両極は白と黒となる。好む色の性格別診断をするなら、灰色を好む人は日常の何気無い事も慈しみ何物にも邪魔されない自由でニュートラルな環境や精神を求めるミニマルな一面を持つでしょう。
・茶(ブラウン)
茶色の象徴として一般的な物は、砂・泥・土・地面・大地・山・木・枯葉・熊・栗・きのこ・どんぐり・チョコレート・カレー・胡桃・アーモンド等がある。性格的なイメージとしては、力強さ・包容力・自然・落ち着き・温もり・地味・泥臭さ・実直等を表す事が多い。この色はまさに全ての生命に恵みを与えてきた大地の色であり生命全ての土台であるので力強さと安心感を現代人にも与える。各色相の中では、茶色は明度や彩度の低い黄色や赤寄りの色なので比較的暖かさを感じさせる暖色であり、どちらか言えば興奮を僅かに感じさせる興奮色であり、色の光による刺激が多くは無い無刺激色である。補色(反対色)に明度・彩度が低めの青(紺色)を持つ。好む色の性格別診断をするなら、茶色を好む人は自身と周りの環境と触れ合い大切にしたいと望みその為に行動出来るたくましい力強い一面を持つでしょう。
色相以外の明度や彩度の変化では、
・明るい色(パステルカラー)
上記の原色が例えば赤ならピンクの様に明るい色になると柔らかいまたは優しい等のテイストの性格のイメージになり桜等の様にまた別の象徴する物を表す様になる。
・暗い色(ダークカラー)
上記の原色が暗い色になると硬い厳格な成熟したテイストの性格のイメージになり、また別の象徴する物を表す様になる。
・鮮やかな色(ビビッドカラー)
上記の原色の様に鮮やかな色になるとはっきりとその色の持つ性格のイメージの主張を強調して表す様になる。
・鈍い色(ダルカラー)
上記の原色が彩度を落とした鈍い色になると曖昧な地味なシックな等の深いニュアンスのテイストを控えめに主張する性格のイメージになり、また別の象徴する物を表す様になる。
となる。
以上の様に、色は原始の頃から自然を通して文化の発展と共に我々の生活に密接し生存に大きく関係したイメージを示し私たちは色を通し今でもそのメッセージを受け取っていると言える。
※その他の色彩に関するトピックはカテゴリ別一覧の"絵画技法"のページの"色彩学"の項より御参照下さい。