色鉛筆で描いた絵を長期間保存するには、
・長時間陽射しに晒さない
・物理的な衝撃から保護する
一番目の陽射しに晒さないは、色鉛筆に使用されている顔料が光に対する色の色味を保つ力つまり色褪せに対する力すなわち耐光性が油絵具やアクリル絵具に比べると比較的弱い部類に入るので、長期間陽の当たる場所に置いたりしない事が大切である。
光(特に紫外線を含む日光等)は避けるべきである。とはいえ公開しないとせっかく描いたのに勿体ないので額装の際にUVカットのアクリルガラス付きの額縁にすると良い。色鉛筆は同じ乾式絵具でありながら同じ乾式のパステルの様に顔料の粉が剥がれ落ちる事が少なく色鉛筆に含まれる蝋によりかなりの率で画面に定着していて顔料がこすれ落ちる事が極めて少ないので保管の際にはトレーシングペーパー等の保護フィルムを貼っておく事が可能なのは保存する観点においてとても有利である。乾いて固まる(もしくは濡れたまま固まらない)湿式絵具も他の面と接着すると粘着して張り付く事もあるのでその点でも有利である(もちろん強く擦れば色が落ちたり拡がったりするが)。
そしてさらに美術館の様な展示する照明を紫外線の少ない物にしたり薄明かりの照明にしてみるのも良い。
二番目の物理的な衝撃から保護するという点に関しても、文字通り何かにぶつかったりして破れたり、雨や予期せぬ液体をかけられて色落ちや紙の膨張を防ぐ事である。
一番良いのは額装である。硬い枠と背板と出来れば画面前面のガラスまたはアクリルガラスにより固く保護されるので。梅雨時など湿度の高い時期は紙面裏にカビが発生する可能性もあるので額内の通気性を良くする、又は定期的に風邪に晒す、もちろん湿度の高い場所には置かない等の対策もする。少量の油分とワックスで顔料が固められているので危険性は少ないものの溶ける恐れもあるので高温な場所も避ける。特に絵を重ねる時は。
額縁以外ではファイリング出来るバインダーに入れて置くのも良い。