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色鉛筆画の保存・保管の方法

色鉛筆は、湿式(濡れていて固化する)でなく乾式(濡れて無く元々乾いている逆に言えば乾かない)の絵具ではあるが、パステルやクレヨンの様に塗った色面の顔料が擦れ落ちる事は少ない。紙の目に顔料が良く食い込んでいる為である。
とはいえ柔らかい鉛筆であるほど、芯を寝かせて描いた面ほど、顔料が擦れ落ちやすい。強く擦ったりすればなおさら。
水分等の液体で濡れれば当然色が溶けてシミになる(鉛筆・木炭・パステル等で使用する画面保護用のフィキサチーフの塗布でもその揮発性溶剤により蝋(ろう)を含む色鉛筆の顔料に対し滲みが出る事もあるので注意が必要である)。
顔料自体の耐光性も他の強い絵具と比べると弱い。使用されている顔料の質、顔料がむき出しに近く顔料を包み保護するメディウムが少ない事による。
支持体も紙に描かれる事が多い。紙はちゃんとした物なら経年劣化には強いが板やキャンバスに比ると物理的衝撃には弱い。

それらを防ぐには、
額縁に入れるのが最も安全である。耐光性を強化する意味でガラスか透明なアクリル板で額全面を保護する物が良い。アクリル板の方がガラスが割れた時の事を考えると安全ではある。軽い事もあり扱いが楽でもある。
とはいえ、描いた全ての絵を額装するのは額を用意するのも難しい場合が多い。とすると、紙に描いた絵であれば、しっかりとした背板のファイルに入れておくのも良い。その際トレーシングペーパーで表面を保護しておいても良い。
梅雨などの湿気の多い環境に対応する為、防かび剤を湿気の影響の受けやすい絵の裏面と背板の間に施しておくのもしておいても良い。これはよほどでない限り起きないとは思うが。

あとは他の絵具で描いた絵全てに言える事ではあるが保存する環境がとても重要で、
・耐光性の観点から、直射日光の当たらない場所に置く事。
・高温、多湿の場所に置かない事。

過敏になる必要はないが以上の懸念される点に注意しておく必要がある。