危険または安全のイメージを表し意味する色とは?
危険を表す色では赤、黄、黒、白が多く用いられる。
安全を表す色では緑、青、白が多く用いられる。
危険と安全を示す色はその分かりやすさが即生命の維持に直結する交通の場面でよく見られ交通設備や緊急車両では特にその重要性と速効性が際立つ。代表的な物として信号や標識に多く用いられている。その他にも作業時に危険の多い工場や建築の現場でも多く使用される。日常においても必要な場所や状況に応じて仕事や生活に潜む危険の警告や注意や緊急性等を知らせる為または逆に安全である事を知らせる為に多く使用されている。どちらかと言えば危険の周知の緊急性の方が重視されているせいか見かける頻度は危険を表す色の方が多く感じられる(平時は緊急性が少ないので安全を表す色は日常に溶け込んでいるせいもあってか)。
・赤
赤は即刻中止を求める程の最高レベルの危険度を表す事が多い。火や血等に象徴される人類にとっての重要性や危険性等の原初的イメージの影響も大きい。主に禁止・緊急・拒絶・高熱・絶滅・退場等を表すシーンで使用される事が多い。熱さを感じさせる暖色であり興奮を感じさせる興奮色という刺激色なので人の生理に強く訴えかける。
・黄
黄は来たるであろう危険に対する注意や警告や勧告を促す為に用いられる事が多い。色彩心理学的には黄色は光(太陽)を象徴する希望の色ともされる(逆説的に希望を求める心には不安が裏に潜むとも考えられなくも無い)。彩度も明度も共にとても高い色なので人の目につきやすい色である。暖色寄りの興奮を感じさせる刺激のある色でもある。
・緑、青
緑や青は安全を表す色として用いられる事が多い。緑は草や葉や森林等あらゆる自然(の植物)を象徴する色で、偏りの無い中性色または冷たさを感じさせる寒色に近く、色の持つイメージでは平和や中立や調和や癒しや回復等がある。青は海や川等のあらゆる水や青空を象徴する色であり、冷たさを感じさせる寒色であり、爽やかさや落ち着きや冷静さ等のイメージがある。低刺激で興奮が少なく落ち着きを感じさせる沈静色なので安全を表す色としては相応しいと言える。
・白、黒
白や黒は単色では危険や安全という点ではどちらにも属す事は少なく(色の性格で見ると白は安全、黒は危険ともイメージ可能だが)、補助色として危険を表す色や安全を表す色と併せて使われる事が多い。組み合わされて使用される配色において、もう片方の色(または周囲の色)との比較で生じる文字や図等の認識のしやすさである視認性は、明度の差が大きいほど(次いで彩度差および色相差が大きいほど)良くなるので、白と黒は最高明度及び最低明度の色なので目立ちやすい彩度の高い有彩色と併せて使われる色としては最適と言える。例えば、白と黒の配色の組み合わせでは視認性は最大になり、白に代えて黄と黒とで配色を組み合わせると明度差が有彩色を用いる中では最大になり加えて白とは異なり黄が刺激を与え目を惹きつけやすい色なので視認性と同時に誘目性(注目を集める性質)も高くなり危険を知らせる配色としてこの組み合わせは多く使用されている(警戒標識に見られる縞模様が代表的)。逆に黄と白の組み合わせでは明度差が少ないので視認性は低くなる(認識しづらいので誘目性も低い)。赤や緑や青の中明度〜低明度域の色は、黒との組み合わせよりも明度差が強く生じる白との組み合わせの方が視認性や誘目性を高めやすい。