dorayakiBlog
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油絵の下地塗料

油絵は描いては乾かしてを何回か繰り返し絵具の層を重ねながら完成に近づけていく事が多い。しかし下層となる油絵具自体の乾燥が遅かったり下層の油分が多くなるのでその代替として下地塗りもしくは下描きは油絵具とは別の絵具で描く事がある。生地のままで地塗りされてない画布に施す下地塗料、白色で生地に地塗りを施されている画布への有色の単色の地塗りを施す下地塗料、絵の下描き及び中描きに至るまでの塗料(絵具)は別の絵具で済ます事もある。
そこで油絵のデメリットともなり得るのと反対の性能の乾燥の速い油分の含まない/少ない絵具を用いる。主にテンペラ絵具、アクリル絵具、アルキド樹脂絵具が用いられる。これらは乾くととても強い耐久力の皮膜を造り非可溶性で耐水/耐油性なので上に油絵具を乗せても下層が溶けたり動いたりしないので適している。

・テンペラ絵具
卵の卵黄及び卵白を展色材とした水で溶く絵具で卵黄に含まれる成分で硬く固化する。水が蒸発すれば硬く乾き不透明水彩の様に不透明な塗りが可能なので下地の絵具としても向いている。油絵具の上からも水性の絵具として乗せる事の出来る数少ない絵具である。ラウニーというメーカーによりチューブ化して市販されてるのを使用した事がある。

・アクリル絵具
アクリル樹脂の合成樹脂を展色材とした主に水(または揮発性油)で溶く絵具。素早い乾燥性と強い耐久性の絵具の層を作るので下地の絵具としても適している。ただし油絵具の上から描く事は難しく油膜の平滑な面に合成樹脂が強く付着せず剥がれやすい(やすりで表面をざらざらの粗い面にすると多少付着力を増す事は出来るがおすすめしない)。

・アルキド樹脂絵具
油を原料とした合成樹脂を展色材とした水または揮発性油で溶く絵具。この合成樹脂は水や揮発性油の蒸発とは別に樹脂自体が乾性油に近い乾燥の仕方もするので同じ合成樹脂絵具のアクリル絵具より緩やかに遅く乾く。しかしそれでも油絵具と比べると速く乾く。水性のアルキド樹脂絵具の方が乾燥が速い。油性はもちろん水性でもテンペラ同様に油絵具の上からでも描く事が出来る。耐久性もとても強い。先に挙げた絵具は水を含むので油絵具と混ぜられないが油性の物は油絵具と混ぜる事も可能で下地としても油絵具と連続的に使用出来て利便性が高い。油彩の油性下地塗料にはこの樹脂がよく用いられている。

現在では一般的でないが他にも膠塗料や水彩絵具も有機溶剤に不溶なので下地に用いる事も出来る。基本的に変色・亀裂・剥離・滲み等の化学変化を起こさなければ何の絵具でも下塗りや下描きに用いる事は出来なくもないが上描きで絵具を乗せて筆で激しく動かす際に下地に求められる耐久性と不溶性の点で上記三点の絵具がとても相性が良い。