膠(にかわ = glue)とは動物の腸・皮・骨に含まれる動物性のタンパク質から成るコラーゲンを加工し生成されたゼラチン質の物である(膠は不純物を含み精製された不純物を含まない純粋な物はゼラチンとされ医療等の他分野でも使用される)。
絵画用用途としては、水性の絵具または水性下地塗料の展色材(メディウム)、描画の下地となる板や布等の支持体に施される目止めとなるサイジング(下地の支持体への絵具や画用液の浸透を防ぐ下処理)材、その強度と接着性から接着剤としても使用される。
膠の形状や見た目は、無色や白や黄色や褐色の透明〜半透明の板状・棒状・粒状等と様々であるがよく見かける物としては棒状で黄褐色の半透明の物が多い。
現在一般的には兎膠が上質とされ、原材料から膠の成分を熱水で抽出し乾燥させ冷却しゼリー状の溶液に加工して出来上がる。
展色材としての性質は、乾くととても硬く丈夫になり熱または熱水に可溶性を示し水に対しては長時間浸けておくと膨潤し有機溶剤に対しては不溶性を持つ。比較的厚塗りしても脆くならない程度の強度も持つ。膠水(膠を膨潤させ湯煎して水に溶かしたもの)に明礬やホルマリン溶液を付与して乾燥すると非水溶性にもなる。
西洋においては中世における装飾仕事・写本製作等に使用する絵具として又は油絵具やテンペラ等の下地作りの為の素材として、日本でも日本画において膠絵具として使用される。