グラッタージュとは凹凸のある表面から絵具と紙を当てる事によりその表面のテクスチャ(マチエール)を写し取る技法である。
この技法を用いると通常の描写では描けない様な、絵描きによる作為の無い、自然物や金属等の人工物の特殊なテクスチャを絵に取り入れる事が出来る。
この技法は写し取りたい物体に紙を当て、既に塗っておいた油絵具やアクリル絵具や水彩絵具等の半液状の絵具をペインティングナイフ等の硬い道具でこすり落とす事によりテクスチャの模様を紙に写し取る。
似た技法で写し取りたい物体に紙を当て、鉛筆や木炭やパステル等の筆圧を強くかける事の出来る絵具で色を乗せる事により模様の跡を写し取るフロッタージュという技法もある。
この技法を用いた代表的な画家にドイツで生まれフランス・パリで活躍した超表現主義シュールレアリズムの画家マックス・エルンスト(1891-1976)がいる。