グリザイユとは、白と黒の無彩色で描いていく技法である。
主に彩色の下層に描かれる。
彩色の段階でグリザイユ画に不透明な絵具だけを乗せるのでも良いがそれだと下層になるグリザイユ画がただのアタリを取る為の下描きになるが、透明な絵具で描くと下層のグリザイユ画を透過するので下描きが活きる。その時の下描きは高い完成度を必要とするが。
白〜無彩色グレー〜黒の範囲で正確に有彩色を抜きにしたモノクロの完成した絵を描く。
そして透明な色で色付けをしていく。
なお明部は不透明色で塗りつぶしても良い。
利点は、色相を後に描く工程に分離する事で、明暗を正確に形や空間を造形する事に専念出来る。白を他の絵具に混ぜると耐光性が落ちるが透明なグレーズは白を混ぜないので退色しづらくなる。
欠点は、先に構図を決定するので、後の工程での修正が柔軟に出来ない。
デジタル画でも上の事は有効である、絵具の耐光性云々は別にして。
単色の茶褐色などの同一トーンで描くのはカマイユという。これも似たような有用性がある。