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Googleのヘルプフルコンテンツアップデートの概要とサイトやブログへの影響について考える

2022年8月中旬にGoogleから発表された新しい検索アルゴリズムのアップデートである "helpful content update" は人々(発信者)が人々(受信者となるユーザー)に向けて発信したオリジナル性の高い役立つ検索結果を表示しやすくする為の新たな評価のランクを追加するアップデートとの事。このアップデートの中身について個人的に興味深い部分もあったので概要も含めて取り上げてみたい。

本文はこちらのリンクより↓
Google Search Central Blog

本文を読むと、始まる時期は上のリンクのブログの本文の声明(8/17)の来週からとあるので8/24辺りから始まるとしてアップデートが完了するのは二週間掛かるとの事。ただし英語の検索エンジンから始めて将来的には他の言語に拡大するとあるので私たち日本語のサイトに影響を与えるのが二週間後なのかそれとももっと後になるのかはこの文章からは不明。続く記述で数ヶ月に渡り更なるこのアップデートの改良を行うともあるのでそれも含めると長期間に渡って見守っていく必要性があるとも読めなくも無い。

この "helpful content update" の声明でGoogleが最も強調しているのは "People First" という事である。ピープルファースト即ち人間を第一に考えてコンテンツを作りなさいという事を言っている。その悪い意味での対義語として "Search Engine First" は良くないという事も言っていてサーチエンジンファースト即ちSEO(search engine optimization = 検索エンジン最適化)を"第一"にコンテンツを作らないでくれと言っている(またSEOも重要な技術ではあるので完全に無視する物でないとするとも言っている)。昔はコンテンツの内容には関係無い部分の小手先のサイト内部の技術でサイトを検索結果の上位に表示が出来ていた時代もあったが近年ではGoogleの技術の発達によりコンテンツに対するユーザーの満足度を指標として測る事が出来る様になった様で専門性やオリジナル性や表示速度等のユーザビリティーを重視してユーザーの満足度の高いコンテンツを作りなさいとは過去数回の大規模アップデートであるコアアップデートでも言っていたので今回のアップデートはその "People First" を更に強化するという形なのかと考えられる。

ではどの様にすればピープルファーストなコンテンツを作る事が出来るのか?そのGoogleの言っている方針を抜粋・引用・要約すると、

"・あなたのコンテンツには明確な目的や意図があるかを考える事。
・あなたのコンテンツを訪問閲覧すると予測されるだろうユーザーがあなたのコンテンツによって目的達成や充分な知識や体験を取得する事で満足出来るか考える事。
・あなたのコンテンツは深い専門知識に裏付けされているか(例えば製品やサービスの使用やある場所への来歴から得られる知識や体験等により)?
・以前のコアアップデートや質の高いレビューを書く事へのガイダンスにも考慮する事。"

逆にサーチエンジンファーストとはどういう事かと言うと、

"・そのコンテンツは人に対してでなく(検索結果の上位表示の為に)検索エンジンに好まれる事を主な目的に作られていないか。
・検索結果の上位表示の為に様々なトピック(=テーマ、話題)のコンテンツを多く作っていないか。
・その多量のコンテンツを自動化して作ってはいないか。
・他にあるコンテンツを要約して何の付加価値も付けていないか。(このページの事かーっ!?)
・そのコンテンツを作る理由がトレンドになりそうだからという理由で作っていないか。
・ユーザーがあなたのコンテンツでは問題解決出来ず別のコンテンツを訪問する必要性が生じていないか。
・Google(の検索エンジン)が好むと噂される特定の文字数(何千文字とか)を意図してコンテンツを書いていないか。
・(競合の少ない)ニッチなジャンルのトピックに参入する理由は、専門知識が無いからでなく、多くの閲覧数を獲得出来るからと考えていないか。
・テレビ・映画その他の製品やサービスの発売日等を示唆したりする様な、未確定な情報を書いていないか。"

少し意訳が入ったが大まかに以上の様にGoogleは言っている。

また、
"ユーザーに役に立たないコンテンツが多くあった場合はその他のコンテンツ含むコンテンツ全体で検索の上位に表示されない可能性もあるとの事(必ずしもその中の役立つコンテンツが上位表示されないと限らないとも行言っている)。その場合はそのコンテンツを削除する事で評価を回復する事も出来る"とも言っている。

細かく正確には本文を参照して頂くとして、
ここからオリジナル性と付加価値はそれほど高くもないけれど個人的見解として、
人々(発信者)が人々(ユーザー)の為になるコンテンツを作り、より正しく評価される仕組みが出来上がれば更にウェブ検索の利便性が上がりウェブ上のコンテンツの質も上がり利用者も更に増え同時に発信者も増えかつ検索企業としても栄えるので全ての人にとって良い事なので当然大歓迎ではある。
ただ懸念としては以前から言われている専門性がサイト単位で重視されるのだとすると他のジャンルのコンテンツは同ドメインのサイトでは作りにくくなるのだろうかという心配はある(もう既にそういったアルゴリズムになっているのかもしれないし検索順位を気にして作る物でもないとは思うけれど)。それが締め付けになり不自由になるのではという感じに。この問題については雑記サイトと呼ばれる多ジャンルについてのサイトで数ヶ月問題が無ければ単なる杞憂なのだろうけれど。
他に気になった点が先にサーチエンジンファーストの例で挙がっていた自動化と付加価値の無い要約についての言及についてである。付加価値の無い要約はそのままに他のインターネット上のコンテンツからの転載の事であろうし、自動化についてはプログラム言語による自動生成の事なのだろう(もしくは大量に世に出回るマニュアル化され半ば自動化された大量生産の方法およびそれについての商材の様な何か)。これらの例を読んだ時に収益化停止が頻発しているYouTubeの合成音声によるテキスト読み上げ系動画と検索結果の上位によく来る掲示板やSNSをまとめたいわゆるまとめサイトが頭によぎった(他に一部のアフィリエイトサイトや切り抜き動画等)。まとめサイトはよほどオリジナル性の高い編集や感想等を追加していない限りは付加価値の無い要約そのままではあるし、合成音声によるテキスト読み上げ系動画も他の動画でも多く使われているその機械音声により繰り返しが多く見られる自動生成された動画と見なされる事もある様であり(しかしそんな事もなく確実に手の込んだ人の手による動画が多い)、この自動化と付加価値の無いコンテンツかどうかの判断を機械学習モデル(AIの事なのか?)がするとも本文にあるのでいわゆるYouTubeでの誤BANと呼ばれる様な間違ったアカウント停止までは無いとしても誤って低評価される(既にされてる?)危険性は、Google傘下で今も規制強化中のYouTubeで多発し増えている収益化停止やアカウント停止を見るに対岸の火事では無い様に思える(付加価値については主観的な部分もありますしたまたま自動生成に似た人の手によるコンテンツを見分ける柔軟さが機械学習モデルにあるかどうか辺りが心配ではある)。

実際どうなるかは神(Google)のみぞ知る所ではある。とはいえ良い物が良いと正当に評価される方向性に向かうのは望まれるべきかとは考えるのでこのアップデートがどうなるか今後も気にしていきたい所ではある。