人体だけに限った話ではないが、
人体が如何に複雑な構造を持つとはいえ球体や立方体や円柱などのシンプルでプリミティブ(原初的)なオブジェクト(物体)に人体の各パーツを置き換えればその複雑さも捉えやすいシンプルなものになる。
例えば、
頭はボールの様な球体として捉える。
さらに正確に捉えるなら耳元から顎(あご)の骨を加える。
胴体は胸部と腹部と腰に分けて捉える。
胸部は少し変形した長方形の立方体、
腹部は球体、
腰は変形した台形の立方体または円柱、
として捉える。
頭と胴体を繋ぐ首は胸鎖乳突筋や僧帽筋やその他の細かい筋肉による入り組んだ筋肉群を持つパーツである為に複雑にはなるがシンプルに捉える段階では円柱として考える。
腕は肩の近くの上腕骨頭部を覆う大きい筋肉である三角筋の部分は半分胴体に埋まった球体に、
上腕部は細長い円柱に、
ひじの関節部は球体に、
前腕部は先細る細長い円柱に、
手はそれ自体が複雑なので指は後で描くとしてひとまずは平たくピザの生地の様に伸ばした球体として捉える。
脚もほぼ同じく、
太ももから膝にかけての大腿部は先細る円柱に、
膝の関節部は球体に、
脛からくるぶしにかけての下腿部は太腿より細い先細る円柱にし、
足の部分は手と同じく複雑な構造なのでとりあえずシンプルに変形した長方形または台形の立方体として捉える。
手は手の平と手の甲の面および各側面を併せた平たい立方体とし、親指の付け根部分を変形した平たい三角柱とし、指を細長い円柱又は立方体として分けて捉えると分かりやすい。
指はさらに関節ごとにパーツ分けし三段階可動する三つのパーツに分けて可動部分となる第一第二関節及び指の付け根を球体として捉える。
手の甲側は手の平ほど柔軟性は無く可動は少ないが手の平側は親指の付け根を含めて柔軟性があり可動性が高いのでさらに細かくパーツを分ける事も出来る。
足も手と同じく、足の甲と足の裏と踵(かかと)含めた各側面の部分から成る変形した台形の立方体として捉え、足の指は手の指と長さや付き方は異なるものの同じ様に捉える。
以上を組み合わせると簡易なパーツで立体的に捉えた人体となる。後はこの人体図をベースに必要に応じてポーズを付けたり骨格により男女差を描き分けたり年齢差により頭身をデフォルメしたり細かい筋肉群や顔の各パーツや体の皮膚に起こる皺や衣服を描き込んで様々に描き分ける事も可能となる。理想としてはこれらの立体図を脳内で3DCGの様に回転させて様々な角度から見て人体を描き起こせる様になれば想像によるイメージだけでも(簡易版の)人体を描く事も可能となる。