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画家は長生きなのか?

画家は長生きだ、とたまに聞く。
たぶん、有名な画家に長命な方が多いからそう言われるのだろう。と同時に画家はプロアマ問わず命尽きるその時まで続けられるくらいに選手生命が長いから、長生きという点にクローズアップした時に画家という職業は長生きだというふうに思われる事もあるのだろう。(クリエイター・職人系の職業以外ではほとんど定年で引退していてそんな高齢で現役で働いている職業人は少ないから)

たしかに有名どころのピカソや葛飾北斎ら90歳近くとその当時では相当な長生きの画家もいる。ただ自殺や病気や自堕落な奔放な生活習慣によるものも含め20代後半〜30代で若くして夭折した画家も多い。とはいえ特定の年代に享年が集中するわけでなく、その分布は一般の全体的な分布と同じだと色々な画家の年代表を見てるとそう感じる。

では画家は長生きなのかという疑問を考える時、天に与えられし寿命というろうそくはどうにもしようがないけど、長生きの大きな要素の一つである健康というものを考えるに、

画家は、

メインである絵を描く部分についてはやりたい事をやっている。仕事など自分に裁量権があるとストレスが溜まりにくいらしいから制作の悩みから鬱っぽく落ち込む事はあっても悪いストレスは溜まらなさそう。ストレスは健康の敵なのでその心配は少ないだろう。
手と目を細かく使う。作品やモチーフの観察・批評に頭もかなり使う。ボケとかはなさそう。

これらは健康にとって良いだろう。

漫画家さんはよく締切に追われ徹夜して比較的若くして逝ってしまわれたり健康を害すとかよく聞くけど、画家は貧乏に追われる事はあっても締切に漫画家さんほど追われるとはあまり聞かないのでそこまで健康を害す事は少ないのだろう。(展覧会とか画廊への納期はあるだろうけど)

座して制作する人たちは運動不足になりそうで不健康になりそうではあるが。

自由なようでわりと制約の多いこの現世で、少なくとも絵という画面の上ではやりたい事をやれている・自分の夢を常に叶えられてるという点において彼らは相当な幸福感に包まれているのだろうから、アドレナリンが分泌されている屈強な戦士の如く、多少の健康の不幸を吹き飛ばすくらいの充実感があるのだろうか、それがたぶん大きいのだろう。
そういった充実感や自由は何らかの分野に対して情熱を燃やしている人間に与えられるのだろうと見てて思う。

伴侶や仕事を無くすと急に亡くなる人もいるけど、画家に限らずまだまだ良いものを作ってやろうという強い意思とか目的を持つ者はしぶといのだろう。そういう意味で画家はそういう人ばかりなので長くしぶとく生きる奴らが多いのだろう。