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おすすめの画家の映画

むかし絵を学んでいた時、巨匠と呼ばれる人たちの作品から学ぶのが良いだろうと、美術館や画集で作品を見ているうちに、その作者の生い立ち・生き方・死に方も知っといたほうが良いだろうと思って図書館にある書籍や画集の評伝・解説などをかたっぱしから読んでいた時期があった。 そのころはレンタルビデオ屋全盛で、よく借りに行ってたのでその時に画家を扱った映画もあるんだなぁと知った。

画家の映画やドラマはけっこう多い。(ドキュメンタリーはのぞいたとしても)
ジャンルとしては伝記とかヒューマンドラマとか。やはり巨匠と呼ばれる過去の大画家たちのお話しが主である。ルネサンス〜20世紀の現代美術家たちの誰しも知ってる超有名どころの。
その他には知られざる画家素朴派とも呼ばれるアウトサイダーアート(アール・ブリュット)の作り手の映画もある。
日本人画家だと北斎や東洲斎写楽とか。

多少演出や脚色もあるかもしれないが、映像で再現された天才たちの舞台裏のファンタジーを垣間見れる感じが絵画に興味がある者としては心躍らされる。ドキュメンタリー物にもそういう感じはあるが本人が出演しているのは映像が普及した20世紀のものしかないから残念だ。

いくつか見た中で印象に残っているのは、

・モディリアーニ 真実の愛
これは若くして死んだエコール・ド・パリの画家のアメデオ・モディリアーニの話で妻ジャンヌとの出会いの頃から死ぬまでを、家族との幸せな時代から不和の時代、美術社交界での仲間たちとの交流やライバルたちとの戦い、本人の幼少期から連なる彼自身の美術性の彷徨いと到達を描いた作品に仕上がっているように私には感じられた。
映像的にも当時の世紀末・戦争の影を落とした世界の中のパリ(そんなの実際見た事ないけど)としての退廃と喧騒に似た絢爛さと暗さが現代的な映像美として表現されているように感じた。 音楽もそのドラマを盛り上げてくる。
当時観たストーリーのある画家の映画作品としては自分が見た中では一番完成されているなという感想だった。おそらく美術史を知らない人でも面白く観れる映画じゃないかと思った。


モディリアーニ 真実の愛 [DVD]

・ゴッホ (ロバート・アルマン監督1990)
ゴッホはドラマ・映画・劇などいくつも舞台化・映像化されている。ゴッホ炎の人から最近だと映像が油絵アニメーションの物までかなりの数がある。ゴッホの生涯は画家の中で最も有名なのでそれもそうだなとは思う。 伝記ものの映画などは、その主人公の人生の結末をすでに知っている人には分かるものなので、それを踏まえた上でどういうふうにクライマックスまで持っていくのかが従来の映画とは異なり、ゴッホはその最たる一つなのだろうなと思う。 どのゴッホの映画が良いとかは甲乙などつけられないけれど、1990年のこの作品はゴッホの苦悩や狂気、努力や真摯さ、弟テオとの絆が観ていて大変印象に残った作品だと感じた。


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・印象派若きモネと巨匠たち
印象派の海外ドラマである。 DVDだと三枚組の大作だけあってモネ以外の主な印象派の画家たちにもちゃんとスポットが当てられていて彼らの交流も描かれているので、単体の画家の伝記ではなく、ちゃんとした印象派のストーリーの概略・網羅として話が描かれている。(それでも多少省略はあるが) 個人的には、印象派の画家個々人にスポットを当てた映画も好きではあるが、印象派はやはりそこに関わった主要な画家たちの軌跡も真骨頂なのだと思う。(歴史物で同時代の様々な武士たちの関係性を楽しむかのような)

思い出補正もあるかもしれませんが以上です。ただ感動したのは事実なのでおすすめです!


印象派
若き日のモネと巨匠たち
DVD-BOX