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誰もホームページを作らない

昨今のインターネットを見ていると、そのうち誰もホームページを作らなくなるのではと思ってしまう。とはいえ企業や組織・団体では作るとは思うのだけど少なくとも個人単位ではもうかつて自作した事がある経験者や専門職の人や一部のアフィリエイターくらいしか。かつてのインターネット黎明期の頃の様にインターネットにおける居場所は自分で築くものでは無くプロフサイトやブログに始まりSNSそして動画投稿サービス等の様な企業により用意されるものとなって久しい。

まずHTMLやCSSを覚えて仕様の変化やブラウザ対応等もしながらホームページを作るという点が新規で始めようとする場合には結構高いハードルとなる(もちろん作成後のメンテナンスも)。コンテンツを作る前にその器を作らなければいけないという点がある。

さらに自前でドメインを取得してホームページのファイルを置くサーバーを建てるか借りるかするのも諸般な手続きと多少の費用が掛かるという点が、昨今の基本無料なwebサービスに慣れている私たちにとっては更にハードルの高さを感じさせるだろう。

この二つのハードルを超えるのは全くの素人である一般の人には難しい。努力で何とかなる仕事ではあるけど他にいくつかプロフィールや設定を入力するだけで自身のコンテンツを簡単に作れるプラットフォームがあるのならそちらがまず選ばれるだろう。そうでなければ規約や規制に縛られない自由な自分だけの発信の場を求める様な強い動機がある人くらいに限られてくるのだろう。何より個人のサイトは初めは一人きりで始めるので大海原にある立ち寄る船を待つ孤島の様なもので、コミュニティを既に持っていて人が沢山集まる街の集会の様なプラットフォームの方が魅力的である様にも見える事も大きい。

明確な目的がある人のみが作る様になるだろうからこれが良い事なのか、評判を気にせず独自に深く追求出来るプラットフォームの発信者が減るのが悪い事なのか。そしてSNSや動画コンテンツやAIから更にその先に集約されていくのか、その時にホームページは残っているのかは分からない。ただHTMLの仕様がその未出のプラットフォームの表現形式に合わせて変更されてしぶとく生き残るとは思うけれど。