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乾性油の種類

生油

・リンシードオイル
亜麻の種子である亜麻仁から得られる。
乾燥が比較的早く、やや黄変しやすい。
乾燥した皮膜は堅牢。
黄色で液状体。乾燥の遅い有機顔料や黒に用いられる事が多い。

・ポピーオイル
ケシの実から得られる。
乾燥は遅いが、黄変が少ない。
乾燥した皮膜はリンシードと比較して堅牢さに劣る。
無色に近い液状体。白や淡い色に用いられる。

・サフラワーオイル
紅花の種子から得られる。
乾燥や黄変度合いはポピーと同程度。
日本の画用市販品としては見かけた事が無い。某メーカーのパーマネントホワイトの習作用絵具の練り油で使用されている。

・ウォールナッツオイル
胡桃から得られる。
乾燥・黄変度合いはリンシードとポピーの中間程度。
日本のメーカーからは市販されていないようで、海外のメーカーのものは日本の店舗でも見かける。
用途としては、出来る限り乾燥を遅らせ黄変も少なく調合の手間を減らしたい時だろうか。あとは胡桃油ならではの材質感を求めるとき。
液状。

加工乾性油

・スタンドオイル
リンシードベースが一般的でポピーベースの物もある。
油を加熱重合した物。
乾燥は遅く、黄変は少ない。
堅牢性は非常に高い。
透明度と光沢度は非常に高い。展稠性があるので筆跡が残りにくく平滑な画面を作りやすい。
その性質からグレージング技法にベネチアテレピンと併用する事が多い。
黄色で粘稠体。(液状に近いものもある)

・サンシックンドオイル
リンシードベースとポピーベースの物もある。
太陽に晒し重合させる事で得られる。
光沢度と透明性は高く、乾燥性は良く、堅牢性も高い。
ラベンダー精油を加えると伸びが非常に良くなる。
乳化作用があるので水を使用するテンペラにも使われる。
濃い褐色の蜂蜜状のやや粘稠体。

・ブラックオイル
名称によるいくつかのやや差異のある同様のものがあるが、鉛・コバルト・マンガンなどいずれかまたは複数の乾燥促進剤を加えて加熱重合した物である。
乾燥も早く光沢度も高い。
かなり濃い色で、乾燥促進剤が入っているので紙や布に含ませた場合は後始末に気を付けたい。