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油彩画が乾燥するまでの時間

油絵が乾燥する時間は半年から一年である。これは完全乾燥と言い、絵の表面及び内部までしっかりと乾燥する迄の時間である。この時間を経て仕上げ用のニスを塗る事が出来る。仕上げ用のニスを塗るまでは乾燥する絵具の皮膜が乾燥に必要な化学変化である酸化重合する為の酸素を吸収する必要があるのでその時間を置く必要がある。半年から一年と開きがあるのは乾性油により乾燥速度が速い物と遅い物で開きがある為である。あとは塗りの厚さも薄いと乾燥が速く厚いと遅くなるのでその差の分開きがでる。

そして絵具に触っても絵具が固化して全く動かず取れなく見た目では乾いている様に見える状態がいわゆる指触乾燥している状態である。指触乾燥に至るまでの時間は様々で、絵具単体の場合はチューブの裏によく乾燥時間が記載されていて大抵は2〜3日、速い物だと1日、遅い物だと4〜6日とある。これはごく薄い平塗りをした場合の時間である。厚く塗ればもっと時間はかかる。あとは使用するメディウムである画用液にもより変わってくる。速乾性を謳っている画用液であれば数十分〜1日位で乾く物もあり、調合されたペインティングオイルや自製の一般的な比率での調合液であるなら数日は時間がかかり、乾燥を促進する画用液を入れない遅延性のある画用液を使えば一週間以上か更に時間がかかる事もある。

そこに塗りの厚さと温度が乾燥の大きな要因として加わる。塗りの厚さが半分になれば乾くのが4倍速くなる。気温が10℃高ければ乾燥は2倍速くなる。

乾燥の速い乾性油である生のリンシードオイルは普通の環境下においては1〜3日かけて酸素の急激な吸収が始まり徐々に落ち着いてきて20〜30日で安定した吸収に落ち着くとされる。

そして更に油絵の油は数十年以上乾燥(≒酸化)していく。