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油絵具の蓋・キャップ口からの油漏れ

油絵具を買う時や使っていて絵具のキャップ周りに塊になった樹液の様な絵具がこびり付いている事がある。

油漏れの実例
これは私物のまだ使い始めの絵具で例えばこういう感じ。

これは漏れた油が固まって出来た物である。だからお店では買う前に色を見る為にキャップを開けてはいけない。それは売り物として価値を落としてしまうので。カタログやパンフレット又は実際の色味本を参考にするしかない。あとは実際に買ってみるしかない。

まぁそれはさておき、なぜ油が漏れてしまうのか。それは油と顔料が分離してしまうからの様である分離すると油より重い顔料は沈殿する。油は上部に昇る。ほとんどの油絵具はチューブの蓋を上にして棚のケースに立てられて入れられているのでその状態でキャップを開けると液状の油が漏れてそのまま固まってしまう。

買った後に使う時もこういう事は起こる。買って家で絵を描く時はたいてい絵具は机や作業場に横にして置いておく事が多い。横にしておいても上部と下部に分離して、今度は蓋側の横の抜け穴から油が漏れる。

そうして油が漏れても使えるのだけど、油が抜けた分だけ絵具の練りが硬くなる。人によっては描き味が悪くなるかもしれない。最後には硬過ぎてチューブから出せなくなる事も。有機顔料は油分が多いので油が抜けても絵具は最後まで柔らかいが、無機顔料で油分が元々少ないとそうなりやすいので、絵を描いていてチューブから絵具を捻り出すだけで非常に面倒な事になる。

なのでどうしたら良いか考えて試してみたところ、新品で買ってきた絵具のチューブを逆さまに蓋側を下にして保管しておいてしばらく後に使用してみると油が漏れ出てくる事は無い様である。これは通常とは逆に顔料が下部の蓋側に分離して集まってきたからであろう。これならば油が抜けてしまわず最後まで使えそうである。