dorayakiBlog

大人の趣味のとしての油絵

大人が始める趣味として油絵は良い趣味と言えるでしょう。

絵全般に言えますが描く事への高い集中を発揮する際には時間を忘れて一心不乱に描く対象に没頭する事が出来ます。絵を描く事は孤独ですが描く対象と紙やキャンバス等にすなわち「絵」に向き合い、何故その絵を作り上げるのかという自分だけの創造の理由と意義を通じて自分を見つめ直す機会にもなり得ます。また製作における創造は孤独ですが完成作品を個展・グループ展・SNS等のインターネットを通じて家族・友人・知人や広く一般の公衆に披露し発表する事で思わぬコミュニケーションが生まれるかもしれません(但し著作権法に則ってオリジナル作品か著作権保護期間が過ぎた作品の二次創作に限られますが)。

絵を描く事はインドアなイメージもあり正にその通りで静かに屋内で人物や生物や室内画や想像によるイメージ画を心静かにまたは創造の翼を広げ心の赴くままにダイナミックに絵に向き合う事も出来ます。また屋外で風景等を写生する事で自然と触れ合う事の出来るアウトドアな趣味としても良く知られています(絵の道具の他にお弁当と飲み物を持って描きに行きたいものです)。油絵具は屋内・屋外のインドア・アウトドアの製作に対応出来る絵具の一つでもあります。

そして油絵は芸術家達による美術運動により劇的な変革を繰り返した古くから続く絵画芸術の長い歴史で培われた様々な画風がありますので自分に合った画風を選ぶ事も出来ますし新たな画風を自ら開拓する事も出来ます(画集や美術館での展覧を通じて美術史を知る事でその幅は更に広がります)。加えて油絵具では絵具の他に絵の質感や使い心地を細かく好みにカスタマイズ出来る画用液が他の絵具よりも多数ありますので極め甲斐があるというものです。

油絵を趣味として始めるに当たって心配なのはやはり費用と上手くなるのかという事でしょう。どちらも上を見ればキリは無いでしょうが、費用につきましては専門家用の絵具の基本の十数色、筆を細〜太の十本前後、絵具を置くパレット、各種画用液、6〜20号程の大きさの小さいキャンバス、イーゼル、その他油壺等の小物を、三〜四万円前後もあれば揃えるのには充分でしょう。初期費用と別にその後も描き続けるのに絵具と画用液と筆とキャンバスは消耗するので使い切って無くなったらその都度必要な物を用意するランニングコストも考えておくと良いでしょう。
上手くなるかについては、基本的な道具の使い方を覚えれば絵の完成系の形を成す事は出来ます。油絵の道具の性質と扱い方と規則を知識と実地で知る事が大切です(油絵具はこの点が他の絵具に比して情報量が多いので難しいイメージを持たれますが)。そしてそれに加えて全ての絵にも共通する、絵を構成する概念であるデッサン(形の捉え方)や色彩や遠近法や構図や絵の内容(テーマ等)に関する絵作りを研究していく事になります。まずは既にあり取り組みやすい静物画や風景画等のフォーマット(形式)に従って倣っていく(習っていく)とある程度の完成形を習熟していく事も可能となり、そこから更にそのフォーマットを究めても良いですし別のフォーマットを目指しても良いでしょう。そこまで出来るようになるには個人の資質と練習量によりますが一年〜数年もあれば到達可能でしょう。そしてそこから更に絵を奥深く極め尽くしても良いでしょう。

絵は哲学等の学問の様にどこまでも探究する事が出来、絵作りに使用出来る構成要素も多く、油絵具も使い道がとても幅広いので、趣味として追求し甲斐があると考えます。

当サイトのカテゴリにある油彩画の知識もお役立ち頂ければ何よりです。