油壺とは、油絵を描く際に筆に含ませ絵具に練り混ぜる画用液を入れるパレットに備え付ける事の出来る小さい容器の事である。名前の通り揮発性油や乾性油や樹脂ワニスや乾燥促進剤等の油性の画用液を入れる。
アクリル画ではアクリルメディウムはすぐに乾燥してしまうので油壺は使わない。水彩もメディウムを使用する事は少ないので、水性絵具では基本的には筆洗で油壺の役割を兼用する。
油壺にはスチールやステンレスや真鍮やプラスチック等の素材が使われる。形にも特徴がありソロバンの玉の形をした入れ口と底が狭まっているソロバン型が多い。ソロバン型は容器の中央部に画用液が集まりやすく画用液が少なくなっても窪んだ底に集まって溜まるので筆を浸けるのに使用しやすい。その他にも入れ口から底まで一直線に寸胴の筒型タイプもある。またはソロバン型と筒型のハイブリッドのソロバン型の形と広い入れ口の物もある。他にも半球状の形で入れ口が狭まっていて底が平たいパレット上にセットした時に安定する平底型もある。油壺が二つ並びでひとつの製品の物もある。基本的には油壺はひとつで事足りるのだけれど画用液を使い分けたい場合には役に立つ。
個人的にはパレットと一番一体化して見える平底型を好んで使用している。
どの様な油壺を使うかは好みで良いとは思うけれど、画用液を入れる事の出来る容量と入れ口の大きさは自分の描き方に合わせた方が良い。
容量についてはチューブから絵具を捻り出してそのまま描くスタイルよりも画用液をたっぷり使い薄めて伸びを良くしたり透明度や光沢度等を上げて描くスタイルの場合は画用液を大量に使うので容量は大きい方が良い。
入れ口の大きさは画用液に筆を浸けるのに筆先を入れる事の出来る幅のある入れ口の物が良い。一般的な油壺は16号くらいのサイズの筆を入れるくらいの入れ口の大きさなのでそれ以上のサイズの筆を使うなら大型の油壺か入れ口の大きい筒型が適している。
使用する際には油壺いっぱいに画用液を注いでしまうと動くパレット上ではこぼれてしまう恐れがあるので容量の中ほどくらいまでに画用液の量わ留めておくと良い。
描画後には揮発性油は揮発して消えて無くなるけれど油や樹脂は無くならず乾燥してしまいこびり付くので乾かないうちに揮発性の洗浄液で内部の隅までよく洗浄する。
掃除や手入れをしていれば頑丈で壊れる事もほぼ無く絵具や筆の様に消耗して減る事も無いので蓋を無くさない限りは一生使えるので油壺は自分に合った一生ものを見つけるべきである。