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油絵の艶(つや)を出す方法

油絵で艶(つや)を出すには、

元々油絵具は固化しても強い光沢が残る油を含んでいるので基本的に艶が出る絵具である。

しかし油絵具を薄く塗ったり揮発性溶剤で溶き過ぎると相対的に油分が減ったり下地に吸収されたりするので艶が消える。

なので艶を出すには、

・厚く塗る
揮発性溶剤を使わないで厚く塗ると相対的に油分が多くなるので油量が保たれ、下地に吸収されたとしても絵具が痩せ枯れるほど油分は吸収されずに残るので、艶は残る。

・展色材(メディウム)を入れる
揮発性溶剤を入れた量に応じて油や樹脂の展色材を入れて艶を維持する。艶を消す原因になるが絵具の伸びを良くする為に揮発性溶剤を入れるなら、そのデメリットを補う分量の艶を出す素材である油または樹脂またはその両方を入れると艶が出る。より強い光沢の出る油や樹脂の種類を選ぶ事でも艶を出す事が出来る。

・下地や下塗りに目止めを施す
目止めとは下地素材に絵具が染み込むのを防ぎ吸収性を抑えたり下地素材が傷まない様にする技術であり、上に乗せる絵具に充分な量の油が含まれていれば下地や下塗りに油分が吸収されて艶が消える事は無いが、意図せずとも上塗り絵具に入れる油の分量を間違えて少なくしてしまったり吸収性の高い下塗りの部分が出来てしまったり上塗りが薄くなり過ぎてしまったり等々あったりもするので、その吸収性を打ち消す事が肝要となる。
絵の下地作りの段階で紙やキャンバス等の吸収性を打ち消す為に樹脂溶液や油(または樹脂)を含む絵具を塗り、油が染み込む事の出来ない絶縁層を作る事で非吸収性に近付ける事が出来る。
絵の描画の途中の段階では乾燥してその都度下塗りに樹脂による加筆用ニスを塗る事で絶縁層を作り上に乗せる絵具に対する下塗りの吸収性を消す事が出来る。

・光沢の出る仕上げニスを塗る
絵が完成した後に艶があまり出ていなかったなら仕上げ用の最終ニスに光沢の強く出るニスを使用する。通常完成して半年以降の完全乾燥する頃に仕上げ用ニスを塗る。もしくは完成してすぐの指触乾燥後に塗る事の出来る仮引きニスを塗り、半年以降経ってから仕上げ用ニスを塗る。

以上が油絵に艶を出す方法である。