dorayakiBlog
~絵や興味ある事について書いてます~
header image

油彩画用液の調合の比率の割合

油絵具で描く際に使用する画用液を調合済みのペインティングオイルではなく自身で調合する場合にはまず揮発性油と乾性油を使用して作る。必要であれば樹脂の溶液と乾燥促進剤の溶液も使用する。
揮発性油は揮発し半ば下地に吸収され同時に絵具の下地への食い付きを良くし結果乾燥も速め且つ絵具の伸びを良くし、乾性油は丈夫な皮膜と光沢・透明度を絵具に与え絵具の固化そして画面への定着を担い、樹脂は固化・定着の補助及び光沢・透明度の付与を、乾燥促進剤は化学的に油の乾燥を促す。

一般的なペインティングオイルの調合比率の処方はおおよそ
揮発性油:乾性油:樹脂:乾燥剤
40:40:15:5
である。

ファットオーバーリーンという油絵を描く際の工程におけるルールがある。それは絵具の層が上になればなるほど油分を多くする事で上の層が下の層の乾燥の際の膨張収縮の揺れに耐えて亀裂や剥落を防ぐ。
なので自製する場合は、
下描き〜描き始めでは揮発性油のみから始めて徐々に乾性油の割合を増やしていく。
・下描き〜描き始めでの割合の比率
揮発性油:乾性油
100:0 〜 90:10
の割合で下描きを進め、
描画・乾燥を繰り返し絵具の層の重ね描きが進んだら乾性油と共に樹脂と乾燥剤を加え、
揮発性油:乾性油:樹脂:乾燥剤
80:20:10:5 〜 70:30:10:5
の割合で描き始めていく。
もちろん乾性油のみで描き進めても構わない。

さらに絵具の層が描き重ねが進んで中描きの段階になったら乾性油の割合をさらに増やし絵具層にしっかりとした丈夫なボディ(皮膜の厚い層)を与える。乾性油が増えてくると乾燥も遅くなるので光沢の付与や油膜の補強も兼ねて絵具の表面からの乾燥を速める樹脂を加え乾燥を内部外部から共に直接速める乾燥剤も加えると乾燥をより助ける。
・中描きの割合の比率
揮発性油:乾性油:樹脂:乾燥剤 50:50:10:5

仕上げの段階になったら揮発性油と乾性油の割合がほぼ同等かそれ以上の量になるくらいに調合する。この段階で油(+樹脂)の肉厚なメディウムで仕上げの塗りを施す。
・仕上げ
揮発性油:乾性油:樹脂:乾燥剤 60:40:10:5

描画工程の最初から最後まで樹脂の割合は一定の方が好ましい。製作途中での樹脂量の変更をしても構わないけれども表面のみのつまり見かけ上の乾燥だけが速くなり内部までの乾燥が測りづらくなり塗り重ね出来るまでの乾燥の見極めが難しくなるのでその辺りを考慮してよく乾燥させて次の層を描き進めたい。
乾燥促進剤の量の変更については油分が増えると乾燥は遅くなるので上の層で過度でない適量増やすのは問題無い。特に乾燥の遅い種類の乾性油では。ただしその際に乾性油の量に対し乾燥促進剤を増やし過ぎると急な乾燥による収縮が下層の緩やかな乾燥についていけなくなり画面に皺や亀裂を生じるおそれがあるので10〜20%程度の量に留めておくのが無難且つ安全である。

・各素材による違い
揮発性油
テレピンとペトロールが主に使用されるが性質に差は多少あれど描画用の画用液の調合においては用途としては同じなのでどちらを用いるかはどの様な描き心地・描画結果を求めるかによる。テレピンの方が溶解力が高いので粘度の高い乾性油や天然樹脂を混ぜる時には向いている。

乾性油
生の油と加工された油があり、リンシードやポピーのオイルが生油、加工油にはスタンドオイルやサンシックンドオイルやブラックオイル等がある。いずれも乾燥速度、耐久性、光沢や透明度、黄変度合いが異なるので目的により用いる物が違ってくる。

樹脂
樹脂も物により違いはあれど主な目的は光沢及び透明度の付与、表面部の見かけの乾燥を速める、乾性油による油膜の補強である。なので多少の差や違いはあれど用いられ方はおおよそは同じである。ヴェネチアテレピンという天然樹脂のみが比較的柔らかい皮膜になり乾燥が遅く使用法がやや異なる。

乾燥促進剤
乾燥剤は二種類あり鉛または亜鉛を主とした成分の物とコバルトとマンガンを主とした成分の物があり前者は内部から緩く乾燥を促し後者は表面から急激に乾燥を促す。通常は外側からと内部から両面からの乾燥をバランスよく促す為に二種類を前者を多めに後者を少なめに調合して画用液に加える事が多い。特に後者は濃褐色の液体である事と乾燥促進力がとても急激で強い物なので数滴垂らす程度の調合でごく少量を用いる事が多い。