世には絵が上手くなる方法とか〇〇の描き方みたいな書籍やサイトや動画がある。とはいえそれらは絵を描く上でのちょっとしたTips(小知識)にはなるが何かを描くたびにそれに対応するTipsの情報を漁るのでは非常に効率が悪い。それでは色々な物を描くのには素早く対応出来ないし応用力が無いと他の物は描けないという話になってしまう(例えば服のしわの描き方を学ぶより凹凸のある立体の描き方という観点で学ぶ方が良いという様な話。まぁ個人的にはそういった小さいTipsも無駄にはならなかったけれど)。
絵が上手くなる方法に唯一の答え、というか方法の根幹となる考え方を身に付ける方が色々な物を描くのに対応出来る。それはtTpsの様に即効性は無いかもしれないが(根幹の見方・考え方が分かっていればtipsはそれほど必要無かったかなとも今は思わなくも無い)。
では絵が上手くなる方法とは何か?
やはりそれは物を良く観て観察する事。
月並みでよくデッサンの授業で先生が言う決まり文句ではあるが単にモチーフに似せろとだけ言いたいのではなく(意図はともかくその言葉は間違ってなかったのだろう)、観察の上でモチーフがどういう法則で成り立っているのか気付く為によく観察するという事であります。色や形や構造や陰影や又はモチーフの由来や在り方等哲学的な思想諸々の要素で観察して、描きたい物の共通した法則つまり物の見方を学びそれに気付く必要がある。もちろんこれはデッサンの様な写実的な絵以外にも適用出来る。先達の作品や自然やモチーフから学び抽象的な概念として描画する際にも。
絵が上手くなる方法は、観察して学びどういう構造だったり陰影だったりとかの全て(出来るだけ多くの)の物に共通する法則を自分なりに導き出す事である。写実的な絵であれば物の見え方、どの様に物は見えるのかをありとあらゆる観点で研究していく事でその答えを導き出していける(終わらない学びであり自身もまだその道程ではあるけど)。もちろん個別の小さい知識のTipsでなくもっと大きい多くに繋がる共通した大きいTipsもあるけど、それは簡単に教わるのが良いのかまだよく分からない、人にもよるし。自身で気付いて掴むのが良いかもしれないけど、それを教わる事で一気に画力が伸びるかもしれないので。
絵が持つ精神的な面は絵やモチーフもしくはそれらを含んでいる自身の内面や世界とどう向き合うかを改めて見つめ直す事で自ずと帯びてくると考える。