せっかく鉛筆で絵を描いても手や服のそででこすってしまうと絵が鉛筆の黒い粉で絵を汚してしまう事になる。
描いた紙をスケッチブックやクリアファイルの中に保存しておいても持ち運びの移動の際の振動でこすれが起きてこれまた鉛筆の粉で汚れてしまう。何かに入れて保存せず壁にでも貼っておけば良いかと言うとこれもこすれて汚れはしないが紙が色あせて黄ばんでしまうおそれもあるのでそうもいかない。
ではどうすれば良いかと言うと絵画用の薬品であるフィキサチーフという定着剤を使用する。合成樹脂という固まると水にも溶かされずとても固くなり、すぐに蒸発して無くなるアルコールや揮発溶剤で薄められている物である。筆で塗るタイプの物もあるがスプレータイプの物が手軽で、換気の良い場所で画面全体に縦横繰り返し何回か均一に塗ると良い。この画用液を使うと紙の上でまだ不安定に動く鉛筆の粉が合成樹脂の固化により完全に固定されるのでこすったくらいでは動かなくなる。
もちろん消しゴムでも消せなくなるので完成させてから使用する、もしくは下絵を固定してさらに鉛筆で線を重ねる時に使う。
定着剤を使用すると樹脂が覆い被さり透明に見える屈折率が生じるので色が沈む。鉛筆はモノクロなのでそれほど目立たないが色のある色鉛筆や同じ粉状のパステル等はこの色の沈みも考えてどのくらい塗布するか気をつけた方が良い。