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中間の硬さの鉛筆 F(firm)の用途

鉛筆の硬度には、

H(Hard = 硬い)系と、
B(Black = 黒い)系があり、

その間にF(Firm = ひきしまった、しっかりした)という硬度もある。

メーカーにより硬度の種類の数は異なるが、
H系は9H〜Hくらいの硬度があり数字が上がるほど芯の成分中の粘土の分量の割合が多くなり芯が硬くなり書く線も薄くなる。
B系はB〜9Bくらいの硬度があり数字が上がるほど芯の成分中の黒鉛の分量の割合が多くなり芯が柔らかくなり書く線も濃くなる。
その中間に学校の筆記具でお馴染みのHBがある。
さらにHとHBの中間にあるのがFという硬度である。

19世紀初めにロンドンのブルックマン社によって、H系とB系の鉛筆が作られ、さらなる使い勝手のニーズから中間の硬度HBが作られ、さらにその中間をという派生で生まれたのがFという硬度の様である。

HBはどちらかというとB系寄りの芯の硬さと柔らかさなので、少し硬いH系寄りのFがある事で、FとHBの二種でバランス良く中間の硬度の役割を担っている様に考えられる。

一般的には、H系は製図用に主に使われ、B系は絵のデッサン用に主に使われている。しかしFは用途は特にこれといって定められていなさそうである。

鉛筆の硬度の色見本
弱〜少し強い筆圧での色見本

ここからは私見になりますが、

特に用途は定められていないが、無理矢理用途を定めるなら、

鉛筆は主に文字を書くか絵や図面を描く道具であるので、Fは筆記・絵・製図のどれに一番適しているかを考えると、絵では幅広い濃さの硬度の一つとであり特にこだわりが無ければ他の硬度が揃っていれば必須という事もないし、製図で言うと細く尖らして筆圧もほどほどで描けば製図(特に下図)に適した線もひけなくはないがHと比べると線がこすれやすく使えなくもないが割と濃い細い線が欲しくない限りはもっと硬い硬度で良いと言える。
とするならば、 HBとともに筆記具としての用途が一番適しているのではと考えられる。
しかし逆に言えば、他の硬度と共に使うなら、筆記・製図・デッサンなどジャンルを問わずオールマイティに使用出来るという立ち位置であるとも言える。