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鹸化(ペンティメント)について

鹸化(ペンティメント)とは絵具のメディウムとして使用された油と一部の顔料の化学反応によりその絵具で塗った層が乾燥後に長い時を経て透明化する現象である。

油を使用する油絵具を使用した油彩画に多く百年〜数百年経った古画に見られる。下地剤として塗った支持体の目や模様が透けて見えたり修正で塗り潰した箇所が浮き出たり上塗りして仕上げた絵の下描きが透けたりという事例がある模様。

アルカリ性である金属系の化学元素を持つ活性顔料と油絵具に使用される乾性油の酸が化学反応しそれらが結合し鹸化の作用を起こす。その顔料にはシルバーホワイトの鉛白、ジンクホワイトの亜鉛華、古代の赤色顔料である鉛丹、褐色顔料で酸化マンガンを含むアンバー等がある。
古画に見られる鹸化による透明化は下地剤や修正及び上塗りに用いるのに都合の良い白色や茶褐色つまり油性の鉛白や亜鉛華やアンバーの鹸化が原因である事が多いと古い著書文献には見られる。ただし鉛白による鹸化は乾燥を速め絵具の皮膜を強固にする作用もあるので一概に忌避するものでは無い。これから製作される絵であれば白なら例えばチタニウムホワイトなど先に挙げた活性顔料以外の不活性顔料を使用する事で解消されると考える。薄い塗りであるほど透明化は顕著の様でもあるとの事。