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個人サイトの復権はあるのか

個人サイトとは一般の個人が自らhtmlというマークアップ言語でコンテンツとその入れ物となるサイトをパソコン上でファイルに打ち込みそれをサーバーにアップロードした物を言う。またはhtmlやcss(カスケーディングスタイルシート)の打ち込みを補助するツールやウェブサービスを使った物。

今の現代にはブログ、SNS、ウェブアプリ、ウェブサービスやスマホアプリ等があるが、1990年代のインターネット黎明期にはネット上での通信による交流はウェブサイトがほとんどの主流であった。
個人にパソコンとパソコン通信が普及され始めた辺りから個人サイトで有名無名公私を問わずとまでいかないまでも知識のある人々によりサイトによる発信が行われた。いわゆるホームページというやつだ。
その後ウェブやパソコンの知識をそれほど必要としないブログが普及し、SNSが普及し、そんな中で企業や政府等の公的機関のサイトは現代でも変わらず存在しているが、個人で自身のサイトを作る人は激減していった。
やはりプログラミングよりは幾分か簡単とはいえそれなりに知識が必要となるのが普及するにはネックであったようだ。より簡単なサービスが出てきたのもあるが。

しかし最近2020年前後から個人で作るサイトが見直され始めている兆候も少なからず耳にする。 その理由として、

・ブログに始まりSNS上でのソーシャルネットワークつまりインターネット上での炎上や誹謗中傷や気遣いなどの人間関係という関係性への疲れ、俗に言うSNS疲れと、

・企業等の組織・団体が管理している場合は規約・規則によりユーザーの出来る事に制限があったり、規約やコンテンツ自体の突然のユーザーの望まない改変があったりする為である。

公のネットワーク空間への疲れはこれからもまだまだテクノロジーの高速化や進化は見込めるので良い面も生まれるにしてもそういった負の側面もますます激化していくだろ。

他社の管理するコンテンツでの規約・規則・ルール等の制限は多くの人が利用する上で秩序や倫理等を守り円滑に皆が楽しむ為にはある程度は必要であろう。色々な使われ方の可能性をインターネットは秘めている故の利便性の反面、危うさも含む為に。
改変についても運営側にも得たい利もあるだろうし、特定の個人ではなく全体にとっての最適なコンテンツにするのは仕方ない事ではある(次いで言うと、最大最悪の改変つまりサービス停止もあり得る。SNSやブログ運営の会社が潰れても流石にGoogleまでもが倒産する可能性は極めて低い、ましてやGoogle最後にして最大の砦Google検索までもがなくなる事は考えにくく、検索システムが残っていればサイトとユーザーの繋がりは残るだろう。仮にGoogleが潰れてもサーバーコンピュータさえ有ればサイトアドレスを何らかの手段でユーザーに伝える事が出来ればアクセスは可能なわけで、サーバー自体は企業によるものでなくとも個人または公営の物でも充分役割を果たせるので個人サイトは生き残れる可能性は高い。 なのでホームグラウンドとして持っている意味合いは強い。しかしGoogleが潰れるまでいくとさすがに世紀末過ぎるがそれでもネットの概念は人類の概念からは消せないだろう、人類が滅びるか次の進歩が現れるまでは。とは言えここまでいくとSFの世界なので割愛するとして)。

そういった束縛から解き放たれる場所として個人サイトは見直されている。

ネット黎明期と比較して、ハード機器はパソコン・タブレット・スマホと多様でそのスペックも遥かに進化している。通信回線も高速化し充分に整っている。サイト作成等の情報はネットに豊富にあるので、難易度もそれほど高くなく敷居も低い様に思える。
黎明期当時の個人サイトはそれほど洗練されたデザインの物も少なく実用性重視な見た目をしていたが、今ならhtmlを多様に装飾しアニメーションまでこなすcssもあるので余程のデザインセンスでもない限りはそれなりにおしゃれなサイトデザインになるとは思う。ここニ、三十年でウェブのデザインに対して目の肥えた今を生きる人たちなら。

ではそんな今の状況なら個人サイトが復権し主流になるか?というと難しいと考える。
情報が豊富といってもワンタッチの親切設計でSNSの様に作れて交流を持てるわけではなく、ある程度の知識と実際にサイトの挙動を確かめながらトライ&エラーを繰り返しつつサイトを作りサイトを見て貰う為に集客するわけで、情報発信に強い意欲ある人以外の一般の人にはそれでもまだまだ敷居が高い。制限や改変があっても既存の提供されるウェブサービスの方を選ぶのだろうし、その様なサービスは多くの利益を見込めるのでやはり企業が生み出すのだろうから代替には事足りるだろう。
個人サイトを持つにしても、今現在の状況では個人サイトを自分の部屋つまりホームとし、その他のウェブサービスを公の場つまりアウェイの様な感じで併用されていくのだろう。いくらソーシャル上での人間関係に疲れたといっても、サイトを作っても誰かしらと交流はしたいものだし、個人サイトではせっかくの通信出来る空間なのに集客しくくもあるので。自由に表現できる空間性を担保しつつも。

自由な情報発信に意欲のある人がもっと増えていけば個人サイトは復権しメインストリームになりサイト同士を水道管のように積極的に繋ぐウェブサービスも生まれるのだろうなとは考える。