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印象派の画家ピエール・オーギュスト・ルノワールの技法

ピエール・オーキュスト・ルノワール。
19世紀の印象派の画家(1941-1919)。
特に優美な女性の肖像を得意とする。 従来の印象主義は自然に黒は存在しないとし陰影に青を用いたが、彼は色として黒も好んでいた。

印象派の画家ルノワールの絵画作品「ぶらんこ」
青年期〜中年期の印象主義時代に
印象主義の外光と彼の得意とする人物の
描かれた作品「ぶらんこ」

20〜25歳くらいまでは美術学校を出て間もない古典的な官展派に近いスタイル。筆使いに優美さはあるものの色使いはまだ暗い。
25〜35歳くらいまではモネなど点描に近い分割筆触や外光主義を採り入れた印象主義スタイル。色使いが明るくなる。とはいえまだ写実的な色使いが多い。
35〜40歳過ぎくらいには、目に見える光を追う印象主義の考え方に反して人物などのモチーフを追求したい彼とそれまでの印象派スタイルに悩み、人物主体の古典派の大家アングルやルネサンスの巨匠ラファエロなどに傾倒していく。彼の”乾いた時代”とも呼ばれる。
40半ば〜晩年までは再度印象派の技法に戻りつつも印象主義の考え方とは異なる彼独自の絵を追求していく事になる。バラ色のような色使いと優美な筆使いの潤いのある画風になる。

印象派の画家ルノワールの絵画作品ジュリー・マネの肖像画
試行錯誤の乾いた時代を抜けた
壮年期に描かれた
マネの弟と印象派画家のモリゾとの娘
ジュリーのルノワールによる肖像画

文献と鑑賞からの判断になるが、
古典派な絵を描いていた頃は学校の教えのとおりにメディウムをしっかり混ぜていたのだろうか。職人気質と周りから言われるくらいだし、十代には優秀な陶磁器の色付け職人だったくらいだから学校の教授の教えは守っていただろう。

印象派時代の頃はモネにならってチューブから絞ったままの絵具であまりメディウムを加えずまたはテレピン油のみで描いていたのだろうか。

晩年はリンシードを使用していたそうだ。
彼の優美な人物特に女性の絵が美しいのは下層の鉛白のシルバーホワイトの上に皮膚の暖かみを加えていくとき鉛白がそれと相性良く引き立てるからだそうだ。

彼の印象派のタッチは目に見える光を科学的に追うというよりも、彼自身もそのような事を言っているが愛するモチーフを愛撫するためのタッチなのだろう。