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スカンブルとは

スカンブルまたはスカンブリングとは不透明色の絵具を薄塗りする技法の事である。
やり方としては不透明色の絵具でドライブラシ気味に少しかすれた感じに、かすれた部分から下地の色が少し透かして見える様に塗る。上塗りの不透明色でグラデーションしつつ下地の隙間から垣間見える下地の色とも視覚的に混色されたかの様に見える効果がある。

この技法では印象派の分割筆触の様な点描に近いタッチを細かく置いていくので画面に活き活きとした動きが感じられる効果もある。

またスカンブルは不透明色によるぼかしの分類なので白や淡色で光部を浮き出させる様な感じで塗っていく用途にも向いていると思われる。古典の技法でのグリザイユ(灰色単色画)でのモデリングの際の白色浮出のような。

同じ薄塗りだがグレーズ技法とは性質も用途も異なる様に見受けられる。

スカンブル技法の作例
参考作品:ルノワールの作品より
「すわるジョルジェット・シャルパンティエ嬢」
19世紀フランスで印象派の画家達が仕上げに明るい不透明な絵具を半ばかすれた塗りで下地を部分的に透かせながら描くこの技法を用いる様になり、それまでの透明色を何層にも重ねる古典的技法に取って代わり20世紀〜現代に至る主流な技法となる。