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季節を表す色とは

季節の色は一年の中で起きる自然の移り変わりに拠る処が大きく影響を受けやすい。四季のある日本において季節により一般的に想起される色としては、

・春(3〜5月末)
春は冬が明け温暖な気候になる事で、爽やかなライトブルーの青空が広がり、木々や花々や植物等とりわけ桜や若葉の新緑が生命が芽吹き、明度の高い淡い色調(pale color)のパステルカラーや明るく彩度も高めの爽やかな色調(bright color)が季節的な色として見られる。季節色が持つイメージとしては温もり・物事の始まり・若々しさ等を連想させる。季節色を象徴する代表的な物としては桜・桃の花・いちご・たんぽぽ・たけのこ・若葉等がある。

・夏(6〜8月末)
夏はまず初めに梅雨の曇り空と雨による物憂気な湿り気を帯びたグレーが季節を彩り紫陽花や色とりどりの傘がアクセントカラーとして本格的な夏を前にした梅雨時の季節色として想起させられる。梅雨明けすると夏本番の太陽の強烈な直射日光によりカラッと晴れた鮮やかな青空と木々も逞しく育った幹の濃い茶色を見せ草や葉も色素が増えて新緑の頃よりも濃い緑色になり強い陽光に照らされた大地の全ての物が熱くまぶしく輝き有彩色の彩度の高い固有色を持つ物体はより鮮やかな原色や純色の色調(vivid color)に近づく。と同時に他の季節に無い強烈な光と闇(白と黒)のコントラストが明部と陰影の暗部に生じる。季節色のイメージとしては熱気・活発さ・開放感・躍動感等をまたは逆に涼しさや爽快感等を鮮やかな色や白等との組み合わせで連想させる。夏の暑さに対抗する為水の色である青や自然の色である緑を生活に取り入れる事が多い(同時に色彩調和を心理的に求めるパレット効果で補色(反対色)も採用される事も多い)。季節色を象徴する代表的な物としては海・砂浜・ビーチパラソル・プール・青空・入道雲・雷・ひまわり・朝顔・太陽・すいかアイスクリーム等がある。

・秋(9〜11月末)
秋は夏の陽射しが和らぎ植物が成熟の時を迎える。夏の鮮やかな色調や強いコントラストから明度や彩度を戻しながら徐々に穏やかでコントラストの少ない平坦な落ち着きのある渋い中間色の色調(dull color)に向かって変化していく。天候も秋雨や台風の時期を迎え不安定なりながら快晴の青空においても夏空より強烈な鮮やかさが落ち着いた空色になり、木々の葉や植物や農作物も赤や黄色に色付き冬に向けて黄土色や茶褐色がかった色へと変化していく。季節色のイメージとしては穏やか・落ち着き・情緒的・熟成・豊穣・哀愁・シック等を連想させる。季節色を象徴する代表的な物としては紅葉・銀杏・稲穂・柿・栗・きのこ・夕焼け・月等がある。

・冬(12〜2月末)
冬は気温が劇的に下がり陽も短く弱めになり時には空は厚い雪雲にそして大地は雪に覆われる。農産物は刈り取られ残された大地や木々や植物は枯れ痩せて色みが生命力と共に抜け無彩色の白や灰色の色調に近づき、弱めの陽の光により快晴の青空においても鮮やかさが落ちて見え寒々とした青空に感じられ、大地にある周囲の物体においても弱めの陽の光と冷たい空気により明度と彩度の低下を生じ寒々とした白〜灰色(陰影部分は黒または暗灰色)の銀灰色の色調に近づいて感じられる様になる。春や夏や秋よりも有彩色の支配力が若干低下するとも言える。また他の季節では季節色を取り入れて自然に対して同化する傾向も見れるが、逆に冬は寒さに対抗する為に(寒さは生死に直結する為か)人為的に衣服や家具やインテリアやエクステリア等(みかんやこたつや布団や暖炉やクリスマスツリー等々)にこの季節の自然には存在し難くとても少ない赤や橙系の暖色を中心に他の高彩度色を又は熱を逃しにくい色である黒や暗色を積極的に取り入れる傾向も見られる。季節色のイメージとしては寒さ・冷たさ・寂しさ・枯れた・無・空虚・(始まりの為の)終わり・停滞・節目・休眠等を連想させる。季節色を象徴する代表的な物としては雪・氷・雪だるま・白熊・うさぎ・お餅・枯葉・枯れ木等がある。また(自然との調和の為の)対抗色も冬を象徴する色になり得ている。

また夏の時期の多い熱帯気候の国々や逆に冬の時期の多い寒帯気候の国々(例えば南国のラテン系国家と北欧諸国との比較の様な)では、支配力の強い季節色(によるイメージ)は生活や文化や習慣や考え方に大きく影響を及ぼす様である。