スフマート(sfumato)とは、境界をはっきりとした輪郭線でなくぼかして、霧やもやが掛かった様なぼやけた風に描く事を絵画技法では指す。レオナルドダヴィンチの作品、特にモナリザでその技法は有名である。下図のモナリザを見るに、顔や体はもちろん手およびその輪郭部分によくスフマートの効果が見られる。遅筆で有名なダヴィンチはスフマートと併せてグレーズによる薄い塗り重ねでこのモナリザを十年以上も描き続けたと言われる。油絵具が発明された中世〜ルネサンス期頃からある主に油絵具の技法である。
スフマート技法の代表的な作品例のモナリザ
物理的に言うと、Aの色の絵具とBの色の絵具を並べて置いてその境界をブレンディング(混色)してグラデーションになる様にする。そのグラデーションの幅が大きくなるとスフマートが大きくなる。
スカンブル又はグレーズ技法なら片ぼかし風に、Aの色の絵具から透明に、と出来る。
色の塗り方としてアラプリマ、スカンブル、グレーズなどやり方は色々あるがスフマートが出来るならばどれでも可能である。
油絵具なら、単純に混ぜるだけでそれだけでも可能だ。乾性油分を増やせばさらに混ざりやすくなる。絵具がびしゃびしゃの液状よりある程度硬流体の方がスフマートしやすいので、スタンドオイル+樹脂(ベネチアテレピン等)を絵具の調合液として使用するのがスフマートに向いている。
ぼかすのには乾きが遅い方が向いている事もある。なので堅牢性が少ないポピーオイル+補強する乾性油又は少量の樹脂の組み合わせが良い。
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