最近YouTubeの様な短時間の動画よりも視聴欲をすぐに満たしてくれる瞬間的で超短時間コンテンツであるショート動画が人気を高めている。
直近のTikTokの若者への台頭を筆頭にYouTubeやInstagramでもショート動画に舵を切っている。
例えば従来のYouTube動画が短い物で10分前後であった所がショート動画では数十秒から1分前後と更に劇的に短くなっている。
この俗に言うタイパ(タイムパフォーマンス)の良い効率化によって従来の動画の無駄な部分をは削いで、次々と面白い動画を発見し数多く楽しめる所が人々に受けている要因の一つの様である。また時間の尺が短時間なので自ずとインパクトがあり分かりやすい動画となっている事も大きい。
ただこのTikTokやYouTubeやインスタのショート動画はその名の通りショート(短い)ではあるが何時間もつい見続けてしまうと言う人も増えている様であり、そこに中毒性を垣間見る事が出来る。
とはいえ日常生活を疎かにするほど依存してしまうほどハマらなければ問題無いのだけれど。
この中毒性のメカニズムは、面白い動画は無いか探していて見つかった時に快感をもたらすという脳内におけるドーパミンの様な報酬系の神経伝達物質が放出されるメールやSNS(の新着の通知確認)への依存やソシャゲガチャ課金への依存や各種ギャンブルへの依存に類似している様に考えられる(ランダム要素として面白くない所謂"外れ"の動画が多いほど報酬としてのそ快感は反動として強力に作用し外れが出ている間もその期待感を以って作用し事実SNSやスマホゲームを始めとした各企業の関係者も暗に認めてそのメカニズムを利用している)。
面白い動画は無いかと探し続け新たな刺激を求め、やがて従来の刺激への耐性が出来た満足感を充足させる為に更にのめり込む構図に似ている(大抵の人は自制出来るのだけど中には出来ない人もいるとして)。
動画というコンテンツにおいては、従来からあるチャンネルも少なく長時間の構成を持つ(ある程度見ないと面白さが分かりにくい)テレビ番組のザッピングから、膨大なチャンネルを持つテレビより短時間のYouTube等の動画配信、そして更に秒数の少ない分だけ多産のチャンネルを持ち指先一つでスワイプ出来てしまう超短時間のTikTok等の各種ショート動画へとムーヴメントが移り、面白い動画の発見の刺激及び視聴時間の間隔も短くなり短時間に何度も何度も繰り返され、刺激が切れて新たな刺激を求めるというサイクルが極端に短くなって(+耐性付与)中毒性及び依存性(=生活が疎かになる程の状態)のある釘付け状態になってしまっているのではと考えられる。
酒やタバコや薬物等に含まれる依存性物質による肉体的な依存症の治療に比べて先に挙げたインターネットの弊害がもたらす生活習慣における脳内での依存の改善は比較的容易とは言われるが、刺激に対する脳のドーパミン受容体が通常に戻るのには半年程度は要するらしいので、スマートフォン等の受信機器が身近にあると改善は難しいかもしれないので何かしら使用しないインセンティブやメリット・デメリットを知った上で自分なりの制限を設けて楽しむのが良いと自戒を込めてその様に考える。