肌の色と言っても年齢や健康状態や男女や人種など人により異なってくるから一概に肌色という色は定義出来ない。おおよそ多くの日本人がイメージする肌の色と言えば黄色人種の持つ赤と黄色を混ぜた朱色〜橙色を白っぽくした淡い色であろう。とはいえ現実の色は陰影や周囲からの反射光で色味が変わってくるし一様なベタ塗りな色でなく部分部分で明るく透き通っていたり赤みが刺したりしている。
古典的な油彩による絵画の技法を見てみるとそこでは主に白色人種や黒色人種の人物画が描かれている。それらの古典の絵は描かれた際にはまず人物のまたは下描きや画面全体の下地に褐色とりわけ黄土色や赤土色や焦茶色や紫褐色または緑土色が塗られる。下地に色がある方が上層に肌の色を乗せる事で陰影を描くのに簡易で効率的というのもあるが人物の血色感を表すのにも都合が良いという利点もある。茶系統の色は言わずもがなで人肌および血の持つ赤みの暖かみを下地から見え隠れ又は透過する色光により与える。テールヴェルトと呼ばれる緑土の土性系緑色顔料は上に乗せる暖かみのある肌の色を引き立てる補色の関係も保ちつつ少し暗く鈍いその緑色は血管の青い静脈や陰による暗い肌の青みの様相を表すのによく用いられてた。イラストにおいてもその制作過程でこの技法(とおぼしき?)を使用されてる方々はよく見かけられる。CGにおいては塗り重ねの階層をレイヤーで容易に作れるし、レイヤーを用いなくともアナログ絵具の乾くのを待つという概念も無いのですぐに塗り重ねる事が出来るので容易となる。
例えば顔の色を塗るにしてもヒゲの生える部分は多少は青みがかっていたり毛細血管の収縮の多いほおや鼻は赤くなったり血流の少ない骨に近い薄い皮膚の部分は黄色がかっていたりと一様に塗るのではなく肌の部分により色味を変化がある。