より強いボケ、ぼかしが必要になったのでスタンドオイルを使用を試みた。
性能としては乾燥が遅いという事以外は完璧だと思う。
・柔軟で丈夫な塗膜を形成する。
・生のオイルより黄変しづらい。
この二つは絵画の質を保つのに重要である。
・高い透明性と強い光沢を与える。
・展色性が高く筆あとの残りづらい滑らかな表面になる。
これらは特徴として際立っている。
乾きの遅さは乾燥剤でコントロールする事でカバーするとして、乾燥が遅いというのもまた広い面積を長時間アラプリマ(直描き)できるので、欠点でもあり利点でもある。
リンシードまたはポピーをベースとしたものが市販されている。
少し高値の調合油は生油でなくスタンドオイルのほうで調合されている事が多い。
中には艶消し剤を加えたツヤ消しタイプの物としても販売されている。
光沢と展色性の補強としてベネチアテレピンもスタンドオイルに加えてみたが、どうも少し時間が経って(調合で入れた揮発性油はもとより)ベネチアテレピン自体の揮発性油分の揮発のせいなのか筆に引っかかりを感じるので使用を一時保留。乾きも遅いようだ。
一般的な処方は多い順に揮発性油+スタンドオイルに少量ベネチアテレピンを加える。
ベネチアテレピンは黄変しやすく脆い塗膜になるので単独では用いないとある。
スタンドオイルもベネチアテレピンもメーカーにより若干粘度と色味に差がある。揮発性分に違いがあるよう。
個人的には、液状よりスタンドオイルのような粘りのある硬流体のほうが描きやすいと思う(最初は揮発性油をいれるので液状だが)、筆でコントロールしやすいという意味で。