タルクと言えば日本では日本で生まれ後にエコール・ド・パリ時代にフランスで画家として名を馳せた藤田嗣治が有名である。
油絵に墨で輪郭等の縁取りをした裸婦像や静物・室内画または猫の絵がよく知られている。
タルクを使用した理由としては、タルクで下地を作ると上に乗る墨の乗りが良くなるからの様である。
タルクは、
・別名として滑石(talk)または滑石粉(talkum)。
・主成分は含水ケイ酸マグネシウム。
・白色または灰色。
・耐酸、耐アルカリの耐薬品性に優れている。
・不活性な顔料なので色々な顔料やメディウムと共に用いられる。
・屈折率が低く増量や充填の為絵具の体質顔料としても使用される。
・平らな粒子の形状の性質により固まった絵具の亀裂を防ぐ。
・乾いた絵具はさらさらとした触感がある。
・陶器に使われるカオリン(陶土)に性質が似ている。
鉛白にタルクを実際に混ぜてみたところ、鉛白だけで乾燥させたのと異なり、ごく細かい気泡を含んだ様なさらさらした皮膜にはなったのを観察した。
墨では試した事は無いが水性系の絵具は油絵の平滑な面では弾かれてしまうので乗せづらいのと、墨が墨らしく和紙に描いた様ににじまないからかは分からないが、吸収性のある孔(細かい穴)が出来て和紙に描いた様な線描のタッチが出せる皮膜を作る為に藤田氏はタルクで下地を作ったのかと推測してみる。
タルクは現在でも顔料として別売りされており、画材屋の絵具とは別の顔料のみ瓶売りで販売されている。