近年では簡単に動画の撮影とアップロード及びその視聴がデバイスや通信の技術の発展により容易になった為にweb制作や情報発信においても動画を取り入れる又は動画をメインにした方が良いかという議論もある。とはいえやはり伝わりやすいメディアを選択する方が良いのは間違いない。
それでは果たしてwebに限らずともテキストと動画どちらが分かりやすいのか?
これは人によるのとジャンルやケースによっても異なってくる事が多い。直感的に理解するのが得意な人もいるだろうし論理的に理解するのが得意な人もいるし、言語化しやすい事柄もあるし感覚的なセンスに依る必要性のある事柄もあるしそれらが一つのジャンルに両者が混在している事も多々ある。何かを教える(教わる)際にも実際にやって見せた(やって見せてもらった)方が適する場合もあるし言葉に直して説明した(された)方が理解出来る事もある。
ただ明らかにテキストと動画において伝わりやすい・伝わりにくい場面はある。
例えば、ある高額で購入に慎重になる製品があってその実機の雰囲気や動作性を知りたい時や、言葉では理解しにくい仕事・運動・趣味などの実技での技能について知りたい時には動画で一見した方がテキストで百聞するより伝わりやすい事が多い。
動画はテキストに比べ色や形や音声など視覚的・聴覚的に圧倒的に情報量が多いので発信される内容から知りたい事を拾いやすい。
ただ動画は音楽や演劇等の様に時間軸の上に組み立てられたコンテンツであり全体像を把握するのには一定の時間経過が必要なコンテンツなのでテキストと比べて素早い瞬時の全体像または必要な箇所の把握のしにくさが生じる。
それと同時に動画は情報量が多過ぎて情報を受信する人の能力を遥かに超えていると伝わらない性質を持つと考える(また無意識的にでも望んでいなかったり見ようとしていない物や事を人は見る事が出来ない性質もある)。例えば野球の名選手のバットスイングを私の様な一般人が見ても単純に凄いとか格好いいとしか感じられなくとも野球上級者の人が見たならそのスイングが技術的にどう凄いのか理解出来る様に。ただしかしもしかしたら一般人の私でも言葉や文字で上手く説明されればその凄さが分かる事が出来るかもしれない。テキストにはその可能性がある様に考えられる。文章などのテキストは無限に数多ある情報量から伝えたいエッセンスを抽出・純化したものなので受信者の感じ方に依る所の動画よりは発信者の意図したメッセージをより伝えやすいと言える。ただテキストは発信者の選択により抽出された多くの要素を削ったものなので、ある程度の正鵠を射ていないと誤解を容易く生みやすくもある。
他にも挙げれば一長一短はテキストと動画どちらにもあるので最適なのはやはり両者を併用しつつお互いに足りない部分を補足していくのがベストでありそれが出来るメディアを選択するのがベストであると考える。
例えば、動画にはテキストでテロップや概要欄に注釈を随所に添えたり、テキストコンテンツには文章では伝わりにくい箇所に画像や動画をピンポイントで挟んで注釈を付けてみたりといった様な。