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キャンバスに絵を描く事

自分は絵を描くときは、キャンバスに描く事を好む。
デッサンは別としても。

紙も好きではあるものの、
それ以上にキャンバスには特別な感慨を感じる。
大抵の人も同じだと思うが、物心ついた頃から身近にあった紙を最初はよく使っていた。
その逆に、キャンバスは組立てる必要があるし、組まれている物でもかさばる、何より最初はキャンバスに描く事を仰々しくも感じていた。
しかし油絵やアクリル画はキャンバスのほうが描きやすかったので、いつの頃からか好んで使用し始めていた。
何かキャンバスはその厚みや形状が、古代で言うところの石板のように感じる。
それは特別な意思を表明する存在感を醸し出す。
その打ち出した一枚の絵に備わる魔力のような。

それはメッセージを強く打ち出すアート的な絵に向いている。効果としてその増幅の役割を果たしている。
元々は、壁画である壁からあたかも剥がされて独立したのがタブローつまりイーゼル絵画なのだから、キャンバス画に石の属性と壁画の揺るぎない存在感を感じるのも不思議ではない。

キャンバスは自分が表したいと考える「もの」の本質性をより濃く反映させやすい媒体であると考える。

麻布に杉枠のものがしっかりしていて重さを感じられて好きだ。しかし、いやだからこそと言うべきか、その表面のキャンバス地ではアクリル絵具で、魚が泳ぐように鳥が飛ぶように軽やかに描きたいと考える。

そしてキャンバスの効力に頼り過ぎず、絵自身に力を持たせる技を鍛えたい。