完成された油絵からは独特の油脂の香りがする。それは微量であり嫌な物では無い。
しかし描画の際に使用する画用液の匂いはとても刺激的だ。文字通り目や頭や鼻を刺激する。めまいや頭痛を引き起こす事もある。換気をしっかり取る事は必須だ。
しかし体質もあるので、耐えられない場合は他の溶剤を使わない水彩やアクリルなどの絵具を選択したほうが良い。
それでも油絵を描くなら無臭性の溶剤の使用を勧める。
現在ではペトロールの無臭性の物が発売されている。
絵具を薄める、筆をすすぐ、固まらない内にパレットの汚れを落とす迄は無臭性の物で行い、
最終的な筆の洗浄に通常の筆洗油を使う手順が最も匂いの影響を防ぐ事ができる。
(描画中の筆の洗浄において溶解力の低さから剛毛の筆の絵具は落としづらいので軟毛から中硬毛の筆が良いが、布で拭うなどを併用すれば問題は無い)
匂いの成分が少ないので使いやすいが、その成分の分だけ溶解力が低い。
スパイクラベンダーオイル
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テレピン
↓
ペトロール
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無臭性ペトロール
下の物ほど溶解力が低い。
なので無臭性ペトロールを使用するする時は筆でしっかり絵具に混ぜる。
揮発に要する時間はペトロールと並んで最も長く、ペトロールよりも緩やかに揮発する。
しかし匂いは少ないものの、揮発はするので換気は取る必須がある。
低いながら溶解力はあるので長時間、肌に触れさせてはいけない。
画用液を調合しようとしても、無臭性ペトロールでは樹脂などを溶解しづらい。溶解してもすぐに沈殿しやすい特徴もある事に気をつけて使いたい。
匂いはなくとも石油なので混同してはいけないが、能力的に水に近いのかなと考える。
なのでとても使いやすい。
個人制作ならまだしも、学校や教室や家族のいる住居などの屋内では特に。