筆を石鹸で洗う。
その前に筆から油絵具を拭き取る。
石油系溶剤でよくすすぐ。
そして石鹸と冷水を使い、
手のひらの上で絵具を混ぜる時のように動かしながら残った油分を洗い落とし、よくすすぐ。
余計な水分を取って、穂先を下にして乾かす。
石鹸には界面活性剤が含まれていて、油と水を混ざり合わせる媒介となる効果があり、絵具で言うと乳化とも言う。水と混ざる油絵具もこれと同じであり、卵黄に界面活性剤の成分を含むテンペラもまた然り。こういった物をエマルジョンとも言う。
石鹸の効果で、筆に残った油分を水と混ざるように乳化し、すすぐ水で残った絵具の油分を落とせるようにする。
上の原理と同じで
台所用洗剤も合成の界面活性剤を含んでいて、料理で油を使った鍋の汚れなどは、スポンジと水だけで油汚れをこすっても手の力による摩擦の分だけしか汚れは落ちないが、洗剤を加えると簡単に落とす事ができる。
油分は透明なので落としたつもりでも汚れは残り、放置しておくと一回二回の油分ではどうという事もないが、繰り返すと筆が固まって硬くなる原因にもなるので、よく洗って筆の汚れを落としたい。