dorayakiBlog
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油彩画用液におけるテレピン油とペトロールの違い

・乾燥速度
揮発つまり蒸発はテレピンの方がペトロールより速い。完全に揮発するのにテレピンが数時間かかる場合にペトロールは半日かかる程度の差がある。揮発する時、テレピンは最初急速に多くの量を揮発し最後の方になると残り少ない量を緩やかに揮発し切る揮発の仕方をする。ペトロールは揮発速度は常に変わらず一定で緩やかに最後まで揮発し切る。

・溶解力
溶解力はテレピンの方が強い。ペトロールはテレピンに比べると弱い。テレピンは絵具に混ぜると容易にさらさらに溶かす。ペトロールはテレピンと同量を絵具に混ぜても比較的粘度を保つ。テレピンはその強い溶解力でペトロールで溶解し切れない固形の天然樹脂の溶解やその調合によく使用される。ペトロールは有機溶剤で溶解する事の出来る合成樹脂の溶解や調合でよく使用される。

・保存性
よく封をされてない容器に詰められたテレピンは高温でない暗所に保管されていないと精製の際の残留成分が酸化し樹脂化して描画の際に混ぜた絵具や画用液の乾燥を阻害する恐れがある。ペトロールは揮発すると何も残らず残留成分がほぼ無く酸化等の劣化が少ないので保存にさほど気を使わなくても済む。ただし両方とも可燃性が高いので火気の近くには置かない。

・成分
テレピンは樹脂である松脂を蒸留し精製した物。
ペトロールは石油を蒸留した物。脂肪族炭化水素が主成分。含まれる芳香族炭化水素の成分が増えると臭気と溶解力が強くなる。

・臭い
テレピンは刺激臭の強いレモングラスかジンジャーの様な植物的な臭い。ペトロールは灯油やガソリンほどは強くない臭いではあるが石油臭。

・描き心地
テレピンは少ない量でも溶解力が強いので絵具をさらさらにして伸びが良くなる。混色もスムーズに混ざる。逆に量を抑えて溶かないと厚塗りしづらくもなる。揮発が速いので画面上での絵具の流動性が速く少なくなる。
ペトロールは溶解力がやや弱いので粘り気を保ちつつわりと緩い練りのまま描ける。少しの時間ではあるが画面上に残り続ける。混色は硬い練りの絵具だと少し混ぜ合わせないと混ざりにくい。

・危険性
どちらも経口・接触・吸引により人体への害は多少ある。特に呼吸器による揮発した気体の吸引は目に見えないだけに気付きにくい。長時間のもしくは人によっては短時間の吸引で頭痛や吐き気やめまい等の症状が出る事もある。
どちらも引火性が強いので火気近くで使用・保存しない。

・用途
描画用途は求める結果や描き具合・描き心地により採用する物は人それぞれ異なる。
画用液での調合用途はテレピンは主に生油はもちろん粘性の高い加工油によく使用され天然樹脂の溶解・調合そして古典的な技法においてよく使用される。ペトロールは現代的な合成樹脂を使用した市販の調合液によく使用されている。