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TVは面白くなくなったのか

テレビ離れが若い人に限らず老若男女問わず離れていってるらしい。

しかしそれは単にネットコンテンツのテキストサイトやSNSや投稿動画や配信動画やウェブ漫画他、またはゲーム等のインドアコンテンツが多様になったからというのが大きい。

テレビが全く駄目になったとは思えない。たしかにニーズを捉えきれず内輪の為の番組と捉えられても仕方ないものもある。しかし個々の番組では良質な番組も多い。製作のプロ達が組織で作っているのだし。

テレビ一強だった時代と比べて、今の時代において他コンテンツの増加とそれらとの比較で相対的に見るとつまらなくなったとは見れる。
テレビ全体のコンテンツとしての力が落ちたのは明らかに否めない。

近年のテレビの製作費は横ばいらしい。ピークと思しきバブル期から比較すると下がってるとも聞く。機材とかは技術の進歩とともに安価になってるとはいえテレビ局員の報酬は高止まりしてるとも聞くし相変わらずタレントさんも稼いでいる様なのでちゃんと掛けた分のお金はペイしているのだろう。
お金をかければ面白いコンテンツが作れるとは限らない。もちろん製作費用は無いよりあった方が有利ではある。とはいえ力のあるフジテレビやTBSとかよりTV東京の方がその企画の独特さから面白いという人もいる。集客出来る意味での大物やスタジオや舞台等にお金をかける事に頼り過ぎて肝心の企画が追いついていない事も多い。縛りや制約の少ない個人動画配信主の方が見た目はちゃちいが面白く人を集めているケースもあるのでやはりコンテンツ作りはお金も必要だが肝は企画にある。これはゲームや漫画やアニメもすごいお金と技術で作られてもあまり受けない事もあるのと相通ずるものがある。

さらには忖度と幻想が解けた事にもよる。
主にテレビの番組作りを構成するテレビ局や芸能界及び事務所等の力関係や悪い意味での繋がりによる忖度が特にネットが普及して目立つ様になってきた(個々人の単位ではもちろん切磋琢磨して良い番組作りに励む方々もいらっしゃるとは思うのだけど、大きい単位で見ると)。そういう点が社会のニーズから離れた内々にだけにしか目がいかない様なクリエイションにさせていくのだろうか。

最後に考えられるのは、特にこれが一番大きい理由かと考えるが、破茶滅茶、滅茶苦茶な事をやれなくなったからであろう。近年は社会や世間や放送における倫理が厳しくというか行き過ぎた?モラルを重要視する方向に大きくシフトする感じに変わった為にそういう事は出来なくなった。規制が厳しくなり自由が無くなったと言える(もちろんその事は良い面もあるのだけど)。しかしテレビ全盛期の70〜90年代の昔になればなるほど作り手が誰にも(上の立場の色々な人たちやもっと大きな社会とか何かに対して)忖度しないだからこそ賛否両論のある問題点もあるものの驚かされる面白い企画が多かったのではと思う。倫理観の欠如、暴力、いじめ、過激な性的な表現等も多かったしそれらが良いとは思わないけれども。それでも今の様な予定調和なものよりギリギリで攻めていた頃のテレビに人々は酔わされて魅了されていたのではないだろうか。そういった要素がインターネットに移ってきて色々なトラブルや問題点を孕みつつも多くの人を魅了しているからテレビはつまらなくなった様に見えるのだろう。良くも悪くも何かが起こる・起こしてくれる・見せてくれる・さらには自分が出演者又は作り手となれるという点(クイズ番組や選手権への出場とかハガキ投稿とか素人の参加とか)は昔のテレビには少なからずあったはずで。それも今はインターネットに掻っ攫われてしまっている。

自分が子供の頃のテレビっていたずらや禁止されてる遊びをしている時や冒険に胸躍らせてる時の様なわくわく感がけっこうあった。自分が歳を取っただけで今の若い人も同じ感覚を抱いてるのかなとは知りたいところではある。
突き詰めて考えると、面白いコンテンツには大抵ある危険でセクシー?な香りが今のテレビにはあまり無い様に感じられる。

まぁ報道や教育等の公営放送的な番組は当て嵌まらないけれど。ニュースがやたら甘くて危険でセクシーでも困るのである。