17世紀オランダの画家ヨハネス・フェルメールが用いた油絵具のウルトラマリンブルーで描いた青に由来する名称。
18世紀頃の近代になると他の青は増えてくるが、その当時までは青い顔料が他の色に比べて少なかったり高価だったりでか濃い青を大胆に用いた絵は少なかったようだ。)ルネサンス以前や初期はわりと派手な赤や青を用いている絵もあるからバロック以降から主流になった大きい明暗表現によるドラマティックまたは宗教的で厳格な絵作りの為に黒や茶系の色を多く使うようになっていったのかなとも思う。大きい絵も多いからそんな希少な顔料は使えなかったのだろうか。
ウルトラマリンブルーは現代では他の顔料に代替している。製品としてはコストの面からそちらの方が供給しやすいだろう。
真正のウルトラマリンマリンブルーは瑠璃、ラピスラズリという高価な鉱石(宝石)を使用している。その値段は宝石並に高価な物だったらしい。blockxというメーカーがラピスラズリ製のウルトラマリンブルーを発売しているのはそのメーカーのサイトで見た事がある。2、3万円したので買うに至らなかったが。当時からしたら相当な安値なのだろうが。
フェルメールでは”真珠の耳飾りの少女”の絵の少女が頭に巻いているターバンに使われている青が一番有名だろう。
彼の用いた静謐な画風や点描によるポワンティエ技法やカメラオブスキュラなどの技法もそうなのだが、彼の用いたフェルメールブルーという青そしてその用い方は当時の他の西洋画と比較して相当な鮮烈さを感じさせるものがある。
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