派手な色・地味な色とは

派手な色と地味な色の違いとはどの様な点にあるのか?

感覚的に言えば、派手な色とは人の眼に対して目立つ刺激のある色であり、地味な色とは人の眼に対して目立たない刺激の少ない色であると言える。

そして色彩学的にその違いを挙げるなら、

・派手な色
色の鮮やかさの度合いである彩度が高いほど人の眼に対して派手に映る。元気・活発・華やか・動的等のイメージを効果として与える。またその色が反射して眼に返してくる色光である光の波長の分布に偏りが強い色であるとも言える。

色相における派手な色の例
色相における派手な色の例

・地味な色
色の鮮やかさの度合いである彩度が低いほど人の眼に対して地味に映る。落ち着き・渋さ・曖昧・鈍さ等のイメージを効果として与える。またその色の色光である光の波長の分布の偏りは少なめな色とも言える。

色相における地味な色の例
色相における地味な色の例

となる。

各色の色光反射率と波長の分布
各色の色光反射率と波長の分布の簡易図

派手な色は高彩度色である原色(混色で作る事の出来ない色)や純色(各色の最高彩度の色)がその最たる色となる。

地味な色は低彩度に位置する明清色の色調(白みだけ含む淡色)及び暗清色の色調(黒みだけ含む暗色)も定義的には該当するがそれら二つの明度の中間に位置する白みと黒みの両方つまり灰色の色みを含む中間色が地味な色の最たる色となると考えられる。

派手な色や地味な色という感覚を伴う色の捉え方においては興奮や沈静の作用そして温度感を与える色の性格を持つ暖色・寒色という心理的要素も少なからず影響を及ぼし、暖色の方が派手さを感じやすく寒色の方が地味さを感じやすいとも考える事も出来る(色光反射率は赤は特に高い事もあり)。

また白や灰色や黒の無彩色も基本的には地味な色(≠有彩色には無い情動を抑えた理性的な色)と言えなくも無いが色の使い方よっては派手な色(≠有彩色には無い理知的でインパクトのある色)に見せる事も可能な色であると考えられる。

そして実際のコーディネートの配色において、さらに派手な色にするには複数の色を用いる事で可能となる。最もシンプルな配色としては色相環における補色(反対色)同士となる高彩度の二色を並べる。補色の対比にはお互いの色の鮮やかさを高める効果がある。さらに別のもう一組の補色同士を配色に加えて四色配色にしても効果はある(例えば赤緑に対し黄青の様に最も遠い位置の補色同士が効果的)が、色を過度に増やし過ぎると乱雑さや開放性が高まって曖昧になり統一感のある力強さによる派手さ(インパクト)は失われる。
地味な色においては補色は用いず色相環上で近くに位置する色(オレンジなら隣に位置する赤また黄)の低彩度(かつ出来れば明度の近い)の色同士を並べると良い。色の数は増やし過ぎず単色か二、三色でまとめる方が多色の開放性による派手さは出さずにシンプルな地味さを出せる様には感じられる。
無彩色の配色においては白と黒の様に明度差があるほど見た目のインパクト(≠派手さ)が強くなりまた逆も然りである。当然有彩色においても明度差の強弱を付与する事でこの効果は加わる。
そして派手な色の配色や地味な色の配色どちらにおいても有彩色と無彩色の組み合わせによる配色も考慮に入る。