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水彩画の絵やイラストをうまく描くコツ・方法

絵の上手い下手を問わず、水彩画をうまくきれいに見せる方法として有効なのが「水張り」である。描画技術以前にこれは必ずやったほうが見栄えが大きく違ってくる。

水張り(水貼り)とは、紙の裏面と表面を刷毛などで水を全体的に塗り、紙の四辺を水張り用テープで留める技法である。

刷毛で紙の両面を濡らす時は紙の繊維に水が含まれて紙が膨潤して面積が広がる様にしっかり浸すように濡らすのがポイント。

水張り用テープで留める時は、

①紙を留める台座となるプラスチックか木の板など硬い画板を用意する。紙の裏面全体を水を含んだ刷毛や筆で濡らす。水を含んだ紙の裏面を空気が入り込まないように画板に貼り付かせるように置く。そして表面も水で濡らす。

②上辺、下辺、左辺、右辺の長さ+3センチくらいに切った4本の水張りテープを用意する。その水張りテープの接着面を水で濡らす。そして紙の四辺をその水張りテープでそれぞれ留める。そのとき水張りテープが半分紙からはみ出るように貼り、はみ出た半分は下の台に貼り付ける。

③水分が乾くまで待つ。乾いたら水張りは終わり。

④ここから描画で、水を紙の表面全体を水で濡らす。濡れているうちに大きな面積の塗りやグラデーションやぼかしが必要な塗りを済ませる。または絵の一部分を湿らせて個々に描画を進める。そして細かい描き込みにかかる。紙が丈夫なら塗った絵具は拭えるので何回かはやり直しもきく。

水彩画を描く時に水張りをしないと乾いた時に紙がぼこぼこに歪んで波打ってしまう。学校の図画・美術の授業で誰しも経験した事はあるはず。まじめに美術の授業を受けていた自分も水彩画を習っていた小学校〜中学校までの9年間に水張りは教わった事がないし他の生徒たちも同じく歪んだ水彩画を提出していたように記憶している。

この技法の理屈は、紙を水で濡らすと紙が膨潤し面積が広がり乾くに従って非均一にいびつに元の大きさに戻っていく為に紙に波打ちが起こる。その為に紙の四辺を固定し乾いて元の大きさに戻る時に均一に張力が働き元に戻るようにする事で解決する事にある。

おわりに、
⑤描画が終わったら、テープを貼った部分を残して絵をカッターなどできれいに切り取ると波打ちのない水彩画になる。台に傷が付くと嫌ならテープが付いたままきれいに絵を台から剥がしてから切り抜くと良い。